「こんにちはっス☆エルクっス♪」
(エせばんクルからとってたり。。。笑)
エルクとなのるものはメンバーに自己紹介してるらしい。
「いちをまほー使えるからよろしゅーたのみまっせー!!」
なんかわけのわからない言葉で元気良く話を進めている。


[332] 「……」 03/18(Mon) 19:57:28
管理人・闇空

[333] 突然でてきた怪しい者。黒いローブを着ていて顔は見えない。……と、突然その人物はエルクの頭を持っていた杖で一発殴り、その場から忽然と消えた。 03/18(Mon) 20:02:29
管理人・闇空

[334] そこにひとりの人物が通りかかる。「あれっ?こんな所に人が倒れてる!?」エルクを見つけて駆け寄ってくる。15歳くらいの女の子のような外見をしている。「大丈夫ッ!?」 03/18(Mon) 22:04:56


[339] その人物は急いでエルクの外傷が他にないか確かめているようだ。少女らしき人物は確かめた後自分がたまたま所持していたポーションで簡単な手当てをほどこした。ほどなくしてエルクは目をさました。…「うっ。。。」『あ。もう大丈夫ですか。。。?』「あ、はい☆ありがとうございました。おかげさまでタンコブもできるまえみたいですし♪…ところでどなたですか?」エルクはその者の顔を覗きこんだ…… 03/19(Tue) 00:40:42
えせばんくる

[340] その人物は顔を覗き込まれ、少し微笑みながら言葉を返した。「良かった…ほかに怪我は無いみたい。あ、僕はリゲル。リゲル・アーリアっていうんだ。ちょっと道に迷っちゃって。でもびっくりしたよ、いきなり倒れてるんだもん。ねぇ、なにかあったの?」 03/19(Tue) 01:39:54


[348] 「う〜…自己紹介してて〜…あや?その後僕どうしたんだっけな?あれれ?」よく思い出せないみたいです。「あ!!でも僕のこと殴ったやつ、漆黒のローブ着てたかも。意識を失う前、その真っ黒なのが印象に残ってたから。。。う〜〜〜っ。くやし〜。あんな真っ黒おばけに背後とられるなんて〜!!」くやし〜〜!といった表情で彼女にあった出来事をいちぶしじゅう話しました(っていってもちょっとの時間のことだからそんなに情報はない)。それよりもこの人物。素直なのかそれともただ単純なだけなのか喜怒哀楽がコロコロと表に出ている。感情豊かなのだろうか?「それよりリゲルさん。助けてくれてありがとう☆あ、自己紹介おくれましたネ☆エルクっていうんだ。道に迷ってるんですか?」『はい。。。』「僕この辺ならちょっとは案内できるかもしれない!なんならお礼もかねて道案内します♪だってリゲルさんかわいいからモンスターにさらわれちゃってもこまる 03/20(Wed) 01:02:01
えせばんくる

[349] しね☆」といいながらリゲルに向かってウインクをなげかけた。「よ〜っし☆それではしゅっぱーつ☆」『えぇ!?…しゅ…しゅっぱーつ☆(???)』ちょっとリゲルは拍子抜けしたみたいですがリゲルとエルクのニューコンビで目的地を目指すのでした。 03/20(Wed) 01:05:51
えせばんくる

[350] しばらく歩いていると、遠くから一人の男が走り寄ってきた。背は高く、スカイブルーの髪は肩の長さでそろえてある。キリっとしたつり目が印象的な青年だ。「リゲルっ!こんなとこにいたのかよ!」青年は近くに来るとリゲルに言った「ったく、危ねーからはぐれないようにしろって言っただろ」「ご、ごめん〜…」と、青年はエルクのことに気付く。「あ?リゲル、そいつ誰だよ?」「あ、この人さっき道ばたで倒れてて、びっくりして手当したら、起きてこのあたりの案内してくれてたの」「…おまえ、変なヤツについてってんじゃねーよ…」「ついてったんじゃないってば;」「まあいい、それより倒れてたって、そいつ大丈夫なのか?」「たぶん、怪我もあんまりなかったみたいだし…エルクくん、もう大丈夫?」 03/20(Wed) 02:21:05


[355] 「はい☆おかげさまで♪」エルクはニコニコしながらリゲルに答えた。すると今度は少しムッとした様子で腕を組み蒼髪の青年に向かって話しかけた。「それより会ったばっかりなのに変なやつとはなによ!変なやつとは!まったく失礼しちゃうなぁ。。。」(『だれだって仲間が知らないやつといきなり現れたら変なやつっていうよ;』)蒼髪の青年はちょっと呆れた困った様子でエルクを眺めていた。「ところで僕はさっきいったとおりエルク。君の名前は?」(まだちょっぴりムッとしている。) 03/20(Wed) 19:35:55
えせばんくる

[361] すると蒼髪の青年は答えた。「俺か?俺はリゲル。リゲル・アーリアだ。」しかし、名乗った直後にいきなりもう一人の方に口を塞がれた。「ムグ…ッ!な、何すんだよっ!?」もう一人は困ったように言う。「さっきもう僕が名乗っちゃったんだよ〜;」(ひそひそ)「あ`?聞いてねぇよ」(ひそひそ)「でもさぁ、やっぱり同じ名前っていうのは変だよ」(ひそひそ)…二人は内緒話をしていたかと思うと、不思議そうにしているエルクのほうに向き直る。「えっとね、僕たち二人とも同じ名前なんだ。だからこっちの髪の青いほうはリグって呼んで」だがリゲルの提案に、リグが抗議する「はッ!?おまえ、また勝手に決めんなよ」「だって、ほかに何かある?前みたいに青ちゃんって呼ぶよりはいいでしょ?」「……」「と、いうわけで、こっちはリグって呼んであげて。」 03/20(Wed) 22:27:46


[358] とその時、小石が上からエルクの頭に落ちてきた。エルクが上を見上げると、そこには見覚えのある黒いローブを着た者が木の太い枝に腰掛けていた。相変わらず顔は口元しか見えないし、年も性別もわからない。しかし笑っていることはよくわかる。そして手に持っていた小石を今度は青髪の青年に投げつける。小石は青年に手でキャッチされたが、まだ口元は笑っていた。「……ごきげんゆおう」 03/20(Wed) 21:04:04
管理人・闇空

[359] 高くも低くもない声でそう言った瞬間、咳き込む。口元から、一筋の赤いしずくがたれ落ちた。それは地面に落ちて、赤い染みをつくる。「…そろそろワタクシは戻らなくてはならない様子。それでは皆様、また今度…」口からたれる血をぬぐいもせず、黒のローブの者は風と共にまた忽然と姿を消した。 03/20(Wed) 21:09:38
管理人・闇空

[364] 「…」『なんだったんだあいつ…』『それより口から血を流してたけど…』……なんで僕にちょっかいだしてるんだろう。(それ以前になんで知ってるんだろう)よし。。。っ!……「ねぇリゲルさん。僕…あいつを探してみようと思う…。だから…。」『ここでお別れ。と、言いたいんですね。。。?』「…はい。」『はんっ。俺に石投げるとは良い度胸だ!おいエルク。ここでお別れって言ってたが俺もあいつを追うぜ。』『だ、そうです。だったら僕も一緒に行きますよ☆』そういいながらリゲルはエルクに微笑んだ。蒼の青年はあいての力がどれだけのものか気になるらしく少し燃えてるらしい。「じゃあ行こう!!」『はいっ☆』『…』エルクはやつの正体を探るべく新たな旅をはじめた…… 03/20(Wed) 22:52:52
えせばんくる

[366] 天気の良い日の昼下がり。三人で近くの街まで歩いているときの、他愛のない会話は、こんな一言から始まった。「ねぇねぇ、エルクくんってさ、あそこで僕らと出会う前は、なにやってたの?」 03/21(Thu) 00:32:08

[369] 「う〜ん。。。リゲルさん達に会うちょっと前はここの近くの別名“蒼の国”(…誤解を招かぬため言っておきますが、闇空サマの小説にでてくる蒼の国とは違います;)と呼ばれている≪王国ティア≫にいたよ☆“水”がこの国の象徴だから、街のいたるところで噴水やら水路やらで水が目に付くよ。すっごくキレイで活気のある街なんだよ!」エルクは目を輝かせながらちょっと前のことなのにすこし懐かしそうに語った。「≪王国ティア≫はパニ−ク王とライム王妃が治めている国でね☆城下街ではよく吟遊詩人が物語を語ってる平和〜な国だよ♪それからねぇ。。。」『あ〜もうわかったからその辺にしとけ。』リグがうっとーしそうにエルクに向かって言った。まぁこのままいったらどんどんエルクの思い出話にも突入しちゃいそうな勢いだったからリグがうっとーしくおもうのもむりはない。「もぉ☆ちょっとは言わしてよ、けちんぼ!」(ぴきっ)リグのなかで何かが鳴った。 03/22(Fri) 00:26:32
えせばんくる

[370] 『ケチたーなんだー!ケチたー!もとはと言えばおまえが…ムグゥ!』『もぅリグったら。ケンカはだめだよ☆それより蒼の国にいたって、何してたの?』するとエルクは少しうつむきぎみな落ち着いた表情になり口を開いた…「記憶…探してるんだ。」空では鳥たちが風をきりながら気持ちよさそうにはばたいていた。風はエルクやリゲルたちの頬をやさしくなでながら通りすぎた。空白の刻がながれる…『聞いちゃいけないことだったかな。。。?』「ううん☆ぜんぜんだいじょーぶだよ♪」エルクは首を振りながら明るく答えた。 03/22(Fri) 00:34:48
えせばんくる

[376] リグは頭をかきながらエルクにあやまる。「…悪かったな、せっかく覚えてること途中でさえぎっちまって。」すると、横からリゲルが笑いながら言う「あはは、 03/26(Tue) 11:51:50


[377] すごいね、リグにあやまらせるなんて。リグってね、あんまり素直じゃないんだよ。この前だってせっかく…うわぁっ!!」言いかけてリゲルはリグにいきなり持ち上げられる。「お前なぁ、人のこと勝手に話そうとしてんじゃねーよ。」リグの肩にのせられたままリゲルはあやまる「ごめんごめん」と、リゲルはエルクのほうに振り返る「そういえば、これから行く街って、どういうところか知ってる?」 03/26(Tue) 12:26:05


[379] 「あ、うん。とりあえず今言ってた“蒼の国”に行こうと思うんだ。こっからならあとず〜っと歩き続けて1〜2時間−ってとこかな?」言いおわると今度はリゲルをかついでいる張本人、リグの真正面に立った。「う〜…。僕もなんかケチだのなんだの言っちゃったね。ごめん…来てくれてすぐの時、いちお“そいつ大丈夫なのか――”って心配(?)してくれたよね。ごめんね…でもひょっとしたらまたなんか言っちゃうことあるかもしれないけど…そん時はそん時って事で☆」エルクは苦笑いし、舌をぺロっとだしながら頭をかいた。 03/26(Tue) 22:17:51
えせばんくる

[393] リグはすこし照れているらしくエルク背を向けた。リゲルの顔がエルクの目の前にくる。「それじゃ、蒼の国に行こう!!」『ところでさ、おもってたんだけど。別名“蒼の国”だよね?んでもって本名は 03/29(Fri) 22:48:00
えせばんくる

[394] “王国ティア”だよね。。。?なんで別名の方で呼んでるの???』「その方が聞こえが良いから。」。。。チーン。あまりにもくだらない(?)理由にエルクを除いた二人は白く固まった。…宵道を3人が歩いて行くとようやく城下町入り口にたどり着いた。街はとても活気づいていて夜とは思えなかった。『ほーらついさっき仕入れたばかりの“緋の国”産の薬草だよ!!どんな症状にもきくよ!限定10個だからはやいうちにしいれといたほうがいいよ!」「♪♪♪」おばさんが薬を売ったり、バード(吟遊詩人)が中央広場で歌を歌っている。 03/29(Fri) 22:59:44
えせばんくる

[395] あ!![393]の一行目、「エルク背をむけた」ってなってるけど「エルクも背を向けた」 03/29(Fri) 23:01:29
えせばんくる

[396] ごめん。。。「エルクに背を向けた」です。それでは訂正おっわりー☆次どうぞ♪ 03/29(Fri) 23:02:28
えせばんくる

[397] 「わぁー、すごいねーっ!」リゲルは 03/30(Sat) 01:29:19


[398] 瞳を輝かせながら近くの出店の方へ走っていこうとする。「コラちょっと待て!」「うわぁっ」走っていく途中でリグに襟首を捕まれたためリゲルは後ろに転びそうになる。リグはそれを受け止めながらエルクに訊く。「おい、もう夜だぞ、早めに宿屋探した方がよくないか?」エルクも思い出したように答える。『あ、そういえばそうだね。ここって夜でも明るいからすっかり忘れてたよ。』「どこかに宿屋ないのか?」『う〜ん…忘れちゃったかも…』「ねぇねぇ、あれって宿屋さんじゃないの?」リゲルが指を指す方向には、一件の建物がたっていた。ドアには【憩いの宿屋】と書いてある看板が下がっている。「お、よく見つけたな。とりあえず行ってみるか」リグたちは宿屋のほうに歩きだした。だが宿屋の近くまできたところで、リゲルがふいに足を止めた。リグたちは不思議に思って振り返る。「どうした?」リゲルは少しおびえたような表情で答える。「…ねぇ、この宿屋 03/30(Sat) 02:03:13


[399] …なんか…変なカンジがするよ…?」リグとエルクは首を傾げる。「どうしたんだよイキナリ、べつに変なカンジなんてしないぜ?」リグはリゲルの頭をポンポンとたたく。「…う…うん、そうだよね、多分気のせいだよ。きっといろいろあったから疲れたんだね。」そう言ってまた歩き出す。さっきの変なカンジを頭の隅に押しやって、リゲルは宿屋の扉を開けた。 03/30(Sat) 02:17:05


[404] リグ達が宿に入るとドアの鈴が軽い音を奏でる。するとすごく肌が白く、透き通るような紫色の瞳をもった20前半といった女性がカウンターの向こうの部屋からぱたぱたと出てくる。「いらっしゃい。一泊お一人様100フィンですが(フィン=蒼の国の通貨。1フィン=1ギルくらいかしら。。。?)お泊りになられますか?」「あ、よろしくおねがいします☆」「それではお支払は明日の朝ということで、まずはお部屋の方へ案内いたします☆」そういうと彼女は階段をゆっくり上りはじめエルク達はその後について行った。「ここがあなた方の部屋です。それではごゆっくり☆」そう言い残して立ち去ろうとする彼女をリグが引きとめた 04/01(Mon) 23:30:01
えせばんくる

[405] 『…おい、ちょっと待て。なんで一部屋なんだ…?せめて2部屋じゃないのか?」すると彼女、慌てた様子で返答した「あっ…。す、すみません;今日はこの部屋以外はあいにく満室でして。。。」「まぁいいじゃん☆皆でキャンプみたいにして寝るのも楽しいし☆ね、リゲル?」『あ、そうですね。』にこにこと話をするエルクとリゲルを前にリグは思った…『エルクのやつ、自分が女だということわすれてないか。。。;』…エルクは部屋に入ると荷物を部屋の隅にほうり、ベッドにダイブした。「ん〜、きもち〜☆」その後引き続きリグ、リゲルが入ってきた。 04/01(Mon) 23:44:52
えせばんくる

[406] 部屋にはベッドが2つ。まずこの話からはじまった。『つなげて寝るとしてもどういうふうに寝る?』「『俺・僕 は端でいい。』」同時にエルクとリグが言い放った。『え〜っと…ってことは僕が真中でいいの?』「うん、リゲルがよければ。。。」こうしてリゲルをはさんで寝るといった決断に達しました。…食事もおわり3人とも寝ようと横になり目をつぶった。するとリゲルはまたちいさな違和感を覚えた。『ねぇ、またなにか感じるよ…?』リゲルが少し不安げにエルクの方を向くと、エルクもまた似たような顔でリゲルの方を向いた。「う…うん。なんか…わかんないけど…。リグ、なんか感じた?」 04/02(Tue) 00:00:44
えせばんくる

[407] するとリグも、何かに気がついたらしく、二人の方を向く。「ああ。ほかの奴らが動いてた時にはわからなかったけどな…」言い終わるとリグは起き上がり、注意深くまわりを見渡した。「なんなんだよこの宿は…?」ベッドから降りドアの方へ向かおうとするリグを、リゲルが呼び止める。「リグっ?どこ行くの?」リグは振り返り質問に応じる。「あ?ちょっと部屋の外を見てくるだけだ。すぐ帰ってくる。」そう言いながらドアノブに手をかけたリグの動きが止まった。「……っ!?」「どうしたの?」 04/02(Tue) 00:49:33


[408] リゲルの問いに振り返りながら答えるリグの表情は、いつもより真剣なものになっていた。「ヤバイぜ。閉じこめられた。」「『えぇっ!?』」二人が驚いたと同時、リグが二人の方を振り向いた瞬間、部屋の明かりが一瞬にして消え去った。「「『!?』」」宿屋に入ったときから感じていたなにかが、次第に大きくなってきていることに、三人は気付き始めていた。 04/02(Tue) 01:12:52


[412] 「こんばんわ」突然、密室状態であるはずの部屋に人――あの『黒のローブ』がいた。驚くリグ達をよそに、ソレは喋り出す。「どうだい?この宿屋は。面白いでしょう?」それに対し、リグは『面白いわけねェよ!』と叫んだ。エルクに至っては『気持ち悪いよっ』とまで言っている。その言葉に『黒のローブ』はさして残念でもなさそうに「おや、それは残念。では、こんなのはいかが?」そう言うと同時に杖を軽く振る。すると扉がギィッと無気味な音を立てて開く。その先にはなぜか階段。しかも下りだ。リグ達が怯んでいると、コツコツと誰かが階段を上ってくる音がした。3人、いっせいに身構える。そして階段から出てきたのは、またしても黒いローブの人間らしき者。長身で、がたいもよさそうだ。明らかに男である。その男は『黒のローブ』に向かって話しかける。 04/02(Tue) 09:46:58
管理人・闇空

[413] 「そろそろ戻らないとお前、また血ぃ吐くぞ」その言葉に、『黒のローブ』はそうだね、と軽く言って男の方に近寄る。「では、また」そう笑いながら告げて、その2人は然と消えた。開けっ放しの別の場所へ続いてしまった扉と、唖然とする3人を残して……。 04/02(Tue) 09:51:05
管理人・闇空

[418] 「どうしろってんだよ…?」リグは開けっ放しの扉の先を見つめながらつぶやいた。リゲルも横から覗き込んでいる。「結構奥まで続いてるみたいだよ。…行ってみる?」リゲルが問いかけると、エルクが横から口を出す。『えぇー、でもさぁ、こんな気味悪い所行かないでもさぁ、窓から外に出ればいいじゃん』と、窓の外を指さす。今夜は新月なのか月の光も入ってこない。窓の外をも闇が覆い隠しているかのようだった。 04/02(Tue) 21:03:55


[420] 「うぅ。。。;外まっくらだ;」そういうとエルクは肩を落とした。その次の瞬間今度はいきなりシャキッっとした様子で口を開いた。「よっし!へこたれてたってなんにもなんないよね!進んでって真実を確かめよう。んでもってローブのやつがいたら何者なのかも吐かしてやる!!」そういうと荷物を背負いはじめた。『僕達もここにいてもなんにもならないしね。行こうか。』『まぁパーティーは多い方がいいだろうな。でもさっき、さらにローブの男がふえてたがいったいどういう関係があったんだか…』「まぁいいじゃん!そいつの事もまとめて吐かしてやれば☆」エルクは握り拳をつくり殴るふりをしてみせる。3人はとりあえず部屋から一歩踏み出してみた… 04/02(Tue) 22:29:21
えせばんくる

[421] 部屋の外。来た時はすぐ目の前には手すりがあり、その向こうは一階が見下ろせる吹きぬけになっていた。だが今踏み出してみるとまったく違っていた。異界へと引きずり込むかのような闇へと続く下り階段が続いている。先頭にリグ、そのあとリゲル・エルクといった順で進んで行く。しばらく進み、出発点のドアも見えなくなるくらいまでどんどん下りて行くと、やがてひとつのドアにさしかかった。ドアにはエルクの額くらいの高さの所に妙なくぼみ、そのまわりにはルビー、サファイア、ガーネットなどのちょっとした装飾品が散りばめられていた。「なんだろ、このくぼみ…。丸、くは無いなぁ…。」そういいながらくぼみを指でなぞった。『おいっ!容易にドアにさわるな。何があるかわかんないんだからな!』そういうとリグは急いでエルクの襟を引っ張り後退させた。「うわっ☆」だが、その時の力が強すぎたためエルクはリグの腕の中に飛び込んでしまうことになった。 04/02(Tue) 22:57:58
えせばんくる

[422] 『おい。なにしてんだよ。どんくさいな。』リグは慌てた様子で体勢を立て直した。暗くてよくはわからないがほんのり赤くなっていた。エルクはリグでもこんな事があるんだーと思いおもわず口にしてしまった。「はへぇ。リグでもそんな風になるんだねぇ。」まじまじとエルクが覗き込んでくるのでリグはさらに赤くなった。『おまえがいきなりバランス崩すから驚いたんだ!!』そんな2人をよそ目にリゲルはドアのくぼみを見つめていた『ねぇねぇエルク君。ちょっと来てもらえるかなぁ?』「ん?なに?」『ごめんね!!』そういうとリゲルはエルクの頭をガシッっと掴み『えいっ!』っと壁に打ちつけた。「ひゃあぁ!」エルクは驚いた様子でなにがなんだかわからなさそうだったが、みごとくぼみの大きさとエルクの角の大きさがジャストサイズだった。ぴったりはまるとドアは“キンッ”と軽い音をたてて開いた。 04/02(Tue) 23:13:03
えせばんくる

[424] ……と、その扉の向こうにはまたしても『黒のローブ』の2人組み 04/03(Wed) 10:53:27
管理人・闇空

[426] 。部屋にはテーブルとイスが2脚あって、2人はそこに優雅に座って3人を待ちうけていた。なぜか小柄な方(とは言っても男の方とくらべたらの話だが)の手にはカップが握られている。しかも机の上にはチェス版。思いもよらないところに例の2人組みがいて3人はぽかんと口を開けた。「もうきちゃったんだ。さすがだね。……でもその子、鼻ぶつけてるね」そう指を指されたのはエルク。鼻が赤くなっていた……扉にぶつかって。エルクはパっと鼻を隠し、2人に組につっかかる。『お前等いったいな』「ストーップ」エルクが言いきらないうちにに、男の方が制止をかけた。「俺らはあんまり時間がねぇ。…まぁ俺はそうでもねぇけどな」その後に隣にいる小柄な方に「それはやく飲めよ」と声をかけ、3人に向きなおる。「だから、だ。さっさと言う事言って退散する」『はぁ!?ボクの質問は!?』「んなもん無視だ」なぜか男は律儀に答る。「で、本題だ。この部屋の事を 04/03(Wed) 11:15:41
管理人・闇空

[427] お前等に教えてやる。この部屋の出口にはくぼみがある。実を言うとこの駒をはめればいいだけだ。だが間違ったところにはめると名にかがでてくる。全部いれると扉が襲ってくる。それをどうにかできたら先に進める。……気をつけろよ、お前等は久しぶりの客人なんだからな」そう一方的に言うだけ言うと、男はもう1人の腕をとり風を巻き起こしてその場を立ち去ろうとする。『待てッ!!』そう叫ぶエルクをよそに、その二人は駒をばらまいて消え去った。残ったのはリグ、リゲル、エルクの3人とテーブルとイス2脚、チェス版と駒、そして何かが入っていたカップ。悔しがるエルクをよそに、リゲルはカップを調べる。『っ!?』『どうした?』リグが駆け寄ってくる。『なんか……変なにおいがするよ』差し出されたカップに顔を寄せると、たしかに変な匂いがした。それは別にくさいわけではないのだが、何か独特の匂いがした。……そう、魔道独特の…。 04/03(Wed) 11:24:40
管理人・闇空

[428] 「あー――!!真っ黒おばけー!!」そう言いながら奴に向かってビシッ!と指をさす。(よいこは人に指をさしてはいけません☆)『おや…?もうここまできてしまいましたか。』そういう奴の口元はやはり笑っていた。だが少し蒼白になっておりもう1人のローブの男にもたれ掛かっている。「(まさか自分の角が鍵だとはわかんなかったけど…)そんなことよりなんで僕達にちょっかいだすの?んでもってあんた達一体何者なの!?」だが2人のローブの男は口を閉ざしている。「ねぇ。僕の過去を知りませんか?僕…君に会うのは初めてだけど…君は僕の事なんか知ってる気がするんだ!!」エルクはいつになく真剣な表情で奴のローブの裾を掴み奴の顔を見上げる。 04/03(Wed) 11:25:41
えせばんくる

[429] あ、誤字しました!427の『名にかがでてくる』は『何かが出てくる』です! 04/03(Wed) 11:25:56
管理人・闇空

[430] ぐはぁ!!1分差でレスが〜〜〜!(ぼーん)。まぁいいや。うちのレス[428]は無視しちゃってください。([428]消せれば一番いいんだけどね。はははっ☆)そいでは〜☆訂正終了!…ところで闇さん。[426]のチェス盤。「チェス版」になってたでし。 04/03(Wed) 11:45:46
えせばんくる

[434] 「…どうしようか。」『とりあえず駒ですね。間違えたら“何か”がでてくるんだったよね?』『やはり慎重にするべきだな。』「でもさ、どう慎重にしろっていうの?」エルクはくぼみを指差した。くぼみは全部で32ヶ所。8コのくぼみが横一列にならんでいてそれが縦に4列あった。「このチェス駒すべて使うのかな?この数からして。」『そうじゃないのか?』「でもさ。チェスの駒っていったって、僕遊んだ事ないからどれがなになんてわからないよ;」『そんなこと俺にいうなよ。(俺だって遊んだ事なんてねーよ…;)』「え〜…。」『そういやリゲル。おまえ前に遊んでた事あったよな?覚えてるか?』するとリゲルはハッとした様子でテーブルの上のカップから視線を上げた。『あ…うん!まかせて。』 04/03(Wed) 21:06:06
えせばんくる

[435] 『駒はね、線対称上に相手と自分の駒が並ぶの。だから相手が右から<ルーク(以下・ル)・ナイト(以下・ナ)・ビショップ(以下・ビ)・キング・クイーン・ビ・ナ・ル>って風に並べたら自分もそのまんま、中央の線から対象的にそのまんま並べるんだよ。それの前列にポーンを全て一列に並べるんだ。』並べながら言い終わるとリグが『あれっ?』と声をもらした。「どうしたの?」『この形。くぼみの列と同じだぜ…。』そういうと同じにエルクがくるっと180度回転する「あーー!ほんとだ。一緒だよ。」『いちかばちかだけど…並べてみる…?』「そーだね。こうしててもしかたないし。“何か”が出てきたら出てきた時だよ。とりあえず突っ込んでみよう!やってみなきゃわかんないよ!!」3人はそれぞれ駒をはめた。≪…カチリ…≫ 04/03(Wed) 21:20:24
えせばんくる

[437] とりあえず、何事も起こらずに順調に駒をはめた終えた3人。しかし、何も起こらない。『……嘘、だったのかなぁ?』『さぁな』『えぇっ!?それじゃぁ僕達どうなっちゃうの!?』とリゲル、リグ、エルクの3人は口々に騒ぐ。(騒いでいるのはエルクだけだが。)しかし、異変はその時起こった。【みし…】何かがきしむ音。3人は同時にふりむく。と、そこには件の扉。それはみしみしと音を立てて、異形へと姿を変える。その姿はなんとも微妙で、真中に大きな口(牙があってこわい)。しかも恐ろしい事に謎の棒のような手足でぴょンぴょンと跳ね回りながら3人に向かってきたのである!! 04/04(Thu) 18:34:08
管理人・闇空

[439] 「うっひゃ〜!!」≪ぴょん!≫エルクはギリギリのところで奴の体当たりを回避した。が、奴はくるっと向き直ると今度は舌を延ばしリゲルのウエストのあたりを捕らえた。『うわぁ!!』「リゲル!」『おいっ!』エルクとリグはいっせいにリゲルの方を向いた。奴の舌はドレインの効果があるらしくリゲルは少しづつではあるが衰弱していく。『はぁっ。はぁっ…。』「リゲルしっかり!」『くそっ…!』リグは苦虫を噛み潰したかのような顔でギリギリと奴を睨みつける。するとたまりかねたようにエルクが飛び出した。 04/04(Thu) 22:31:49
えせばんくる

[440] 「ブリザド!」≪キラッ!≫「サンダ!」≪ピシャーン!≫「ウォタ!」≪グオッ!≫。氷・雷・水の攻撃が奴に襲いかかる。≪シュゥゥゥゥ…≫だが奴は耐久性があるらしくあまりダメージを食らった様子はない。「そ…そんな…。」エルクが呆然としているとリグが後から飛び出した。『魔法が効かなければ物理攻撃しかねーだろ!』そういうとリグは奴の目のあたりにかかと落としを食らわした。【キェェェェエエエッ!】これは少しこたえたらしくスルスルっとリゲルを放し部屋の隅に放り出すと今度はリグに迷わず襲い掛かってきた。『エルク!!リゲルを頼む!!』「う…うん!」 04/04(Thu) 22:40:14
えせばんくる

[441] リゲルをエルクに預けると、リグは口の中で小さく呪文を唱えた。すると一瞬の間にリグの手の中に一本の剣が現れた。自分の肩まであるかと思われる長さのそれを軽々と持ち上げ、リグは怪物に向かって走っていく。【キシャァァァアアアッ!】怪物の攻撃を剣で受け流すと今度は怪物の足をめがけて思い切り斬りつけた。 04/05(Fri) 01:46:44


[442] 【ギャアァアァアッ!!】怪物が凄まじい悲鳴を上げるのと同時に、切り裂かれた足がエルクとリゲルの目の前に飛んできた。「ぅわぁっ!」『ひゃぁっ!』ボトッという音とともに落ちてきた足は、切り口から緑色の粘液を噴出して、グロテスクなことこの上ない。『ちょっとぉっ!びっくりさせないでよ!』エルクが後ろで抗議するがリグは全然気にも止めない。「勝手に怖がってろよ。それともこのまま怪物の腹の中に入るか?」言いながらどんどん怪物の足を切り落としていく。『もぉー。いじわるー!』エルクはプーっとふくれながらも、リゲルとともに避難していた。 04/05(Fri) 08:56:58


[443] エルクとリゲルは必死に逃げ(非難)ていた。がっ!!なんとこんな時に限ってのお約束ともいえなくはないが、エルクが敵の体液でみごと滑ってしまったのだ!≪ズリュッ≫「うわぁっ!」なんとか液体の上に倒れるという非常事態は回避したが、不幸が不幸を招いた。倒れた時の声に奴が気付いてしまったのだ。【シャギャー――!】エルクに向かって突進してくる。「あぁぁぁぁー―っ!!」エルクは“もうダメだ!”と覚悟を決めてちいさくうずくまった。 04/05(Fri) 10:10:37
えせばんくる

[444] 『エルクッ!』『あぁっ!』リグとリゲルが同じに声をあげた瞬間、エルクは奴に飲みこまれてしまった…『そ…そんな。』……エルクは闇の中にいた。――ぼく…死んじゃったの…?――あたりを見渡しても一筋の光すら見つからない。――まだ…死ぬきないのに…!!こんな死にかた…!!!―― ……リグとリゲルが呆然と敵を見つめている。すると一筋の強い光が敵を切り裂いた!『な…!なんだ!?』【ギャシャギャヤァァッ!】奴の皮を引き裂きながら出てきたモノ。それは蒼のウロコに包まれ銀の角を生やした幻獣“リヴァイアサン”。そのそばにはエルクが倒れていた… 04/05(Fri) 10:21:07
えせばんくる

[445] 『エルクっ!』リゲルが叫んで助けに行こうとするがリヴァイアサンは興奮しているらしくリゲルに牙をむいている。さっきまで戦っていた敵は内側からの攻撃ですでに屍とかしていた。「はうぅっ…」エルクの瞳が光りを受け入れる。『はぁっ、よかった☆』『まだよくねーだろ。』リゲルはエルクが瞳を覚ました事に安堵の声をもらす、が、リグはまだいきなりあらわれたリヴァイアサンに緊張して身構えている。「うわっ!なにこれ!」奴は彼女の声に反応し振返る。『あっ!』リグはあわてて助けに行こうとするが今度はリゲルがそれを静止させ、首を横に振った。『大丈夫。見てればわかるよ。奴はエルクを襲わない…』2人の目の前で驚いているエルクをよそにリヴァイアサンは彼女に溶け込んだ。いやむしろ“戻った”といった方が正しい様子だった……「…なんだったんだろう?」エルクは自分が奴に食べられてからの事はあまり覚えていないらしくキョトンとしている。 04/05(Fri) 10:35:08
えせばんくる

[446] 部屋ははじめにきたときと変わらぬ静けさがあった。だが今ははじめと違い一体の屍と開いてはいなかったはずのドアが開いていて、あの“魔導独特”の香りを運んできた…… 04/05(Fri) 10:42:36
えせばんくる

[450] その部屋の真中には大きなナベ。と言うより壷に近いのだが。しかもそれはなにかをぐつぐつと煮ている。それ意外、この部屋には何もない。入ってきた扉があったところも、すでに壁になってしまっていた。『……』つい回れ右したくなる衝動をエルクは必死にこらえた。リゲルはおや?と思いナベもとい壷に近寄っていく。『おい、なにするんだ?』リグは心配そうにリゲルの後を追う。リゲルは壷の中を覗きこむ。そこにはなんとも不思議な琥珀色の液体があった。そして、独特のあの魔道の匂い。この部屋の匂いはこれが原因だ。『……これ、さっきの黒い人が飲んでたやつだよ』『なに?』その2人の声に反応して、エルクが嫌々ながらも興味心をくすぐられて壷を覗きこんだ。 04/05(Fri) 12:13:33
管理人・闇空

[453] 「う〜ん。くさくはないけど…なんか複雑な香りだね…」『…どんな味、するんだろう…』するとリゲル、危険かもしれないとわかっていながらも指ですくって舐めてしまった。『お…おいリゲル…大丈夫か…?』するとリゲル無言で口を押さえ急ぎ足で部屋の隅へ行き『おえぇーっ…』。やはり匂いどうり複雑な味だったのだ。「大丈夫?」エルクはリゲルの背をなでながら聞く。『う…ううん。だめかも;あの人達なんでこんな複雑な味平気なんだろう…;』リゲルは持っていたハンカチで口元を押さえながら戻ってきた。『これにこりて興味本意で行動するのは少しつつしめよ。』『うー…。』「それよりこの部屋。ドアが無いよ?どうする?」『とりあえずそこらじゅう隠し扉か隠し通路がないか調べるぞ。』「そだね☆」エルクはついさっきリヴァイアサンが自分の中に入ったという妙な記憶をとりあえず隅にやって今一番大切な“脱出口”をさがすことにした。 04/05(Fri) 15:08:01
えせばんくる

[454] リゲルは素手で、リゲルはダガーで、エルクは自分のスピア・ロッドでそれぞれ部屋の溝という溝を探したがどこにもそのようなモノは存在しなかった。「ないね。ドア。」『そうだねぇ。』『くそっ。』3人は行き詰まったといった雰囲気に包まれた。ちょっとしてその沈黙を破ったのはエルクだった。「ねぇ…まだ調べてないとこあるじゃん。」といいながら中央火にかかっている壷をゆびさした。『エルク。魔法で火を消せ。』「うん、そのつもり☆ブリザド!」≪キラーン≫『おいっ!なんで凍らせるんだよ!』「えぇっ!?だめー?」『とかせー――!』「もう、ファイア!」≪じゅわっ!≫壷ごとかたまった氷はまわりの氷を溶かした。だが驚いたことに中身、つまり“魔道の液体”は蒸発おらず残っていた。『え…。』「ま…まぁ、とりあえず壷どかせよう。リグ、手伝って。」リグとエルクの2人で壷をどけると…下には何もなかった。「そ…そんなぁ。」『でもあと1ヶ 04/05(Fri) 15:21:33
えせばんくる

[455] 所まだ調べるところはあるぜ。』「え…?」エルクがリグの方を向くと彼は壷の“中”を親指で指してみせた。「ココぉっ!?」『それ以外どこだよ!』『問題は誰が探るかだけど…』3人は“じゃんけん”の末、リグが探ることになった。『くそっ。なんで俺が…』するとエル・リゲの2人は顔を見合わせてニヤッと笑った。『だって、ねぇ?』「リグってばひとりグーで一発KОなんだもんねぇ☆」『…(怒)』リグは怒りながらも素直に作業をこなす。『あ?こ…この壷。底がねぇ!』「『えぇっ!?』」リグがそういうとさっきまでニヤニヤとしていたエル・リゲの顔がおどろきに変わる。『多分ここの底が異界にでもつながってるんだろ?』「そいじゃあまずそのままリグが飛びこんでね。その後大丈夫そうなら僕達が追いかけるから☆」『おい…(怒)』「さぁさぁ☆」≪グイグイッ≫『う…うわっ!』≪ドプン…シーン…≫リグが水(?)に落ちてから彼は浮かんでこなかっ 04/05(Fri) 15:36:24
えせばんくる

[456] た。「よしっ!とりあえず僕達も追いかけよう!考えるのはリグが揃ってからだ!」『うん!』そして2人も壷の中へと消えたのだった……≪ドプン…≫ 04/05(Fri) 15:38:27
えせばんくる

[461] 深くて広い、何もない空間の中に、リグは浮かんでいた。「……なんだ、ここ…」手を伸ばしても何も触れず、見渡す限り何もなく、目に映るのは自分の体だけだった。「どうなってるんだよ……」さっきまでのことを思い出してみる。壷に飛び込んで下の方に泳いでいったのは覚えている。どんどん下っていって、途中で息が苦しくなってきたのも覚えている。問題なのはその後。いきなり体になにかが絡みついてきて身動きがとれなくなった。引きずられるような感覚があってもがいてもどうもならなくて息ができなくて苦しくて……気が付いたらここにいた。上も下もわからない奇妙な空間の中で、リグはただリゲルたちを探して遠くを見つめていた。 04/06(Sat) 00:07:38


[462] 「………ここは……?」ぼーっとする。頭がうまく回らない。まだ少しだるい体を、両手でよいしょと起き上がらせる。まわりには甘いバニラの香り。小さなベッドの上で、リゲルは呆然としていた。まわりにはいろいろな玩具が散らばり、天井には紙でできた飛行機やピエロの人形がつるしてある。少し薄暗い部屋の中で、人形たちの微笑みは、心なしか不気味なモノに見えた。「エルクくんは……?」だが、あたりを見回しても、自分以外の人間の姿は見えず、人形たちだけが、見つめ返して来るだけだった。「大変だっ…!エルクくんともはぐれちゃった…!」リゲルは瞬間的に目を覚まし、ベッドから飛び降りた。なぜ自分がココにいるかなんてどうでもよくなり、リグたちを探すことで頭がいっぱいになった。「でも、どうしよう…?」四方の壁にはドアも窓もない。リゲルはとりあえず傍らにある人形を抱き上げてみた。なにも起こらないことはわかっているが、なんとなく話 04/06(Sat) 01:25:05


[463] しかけてみることにした。「…ねぇクマさん、リグとエルクくんどこにいるか…知らないよねぇ…」クマのぬいぐるみは、無言でリゲルを見つめ返してくるだけだった。ふぅっとため息をつき、クマを床の上に戻すと、壁際のほうを調べてみることにした。背中を見つめるいくつもの視線に、リゲルはまだ気付かないでいる。 04/06(Sat) 01:34:37


[466] 「リーゲルー!リーグー!どこなのー!?」エルクは必死になって呼び続けるだがいっこうに返事は返ってこなかった。そろそろ呼んでいても無駄と感じたのか彼女は呼ぶのを止めた。「はぁ。飛びこんだまではよかった(?)んだけどなぁ。」ぶつぶつ言いながら足元に落ちていた小石をつま先でつつく。「はぁ〜。」口を開くとため息ばかり。彼女もまた、残りの2名とはぐれてしまい1人なのだ。何故かはわからないが彼女は今水中にいた。だが不思議な事に息はできる、苦しくも、濡れた感触もない。上を見上げるとかすかに太陽の光がさし込んできているのがわかった。エルクがまわりをグルッと見てみるとそこには崩壊した神殿らしき跡があった。そのまわりにはキラキラときらめく魚達が輪になって泳いでいた。「わぁ☆きれいだなぁ。」そういうとエルクは魚の方に泳いで向かった。すると魚は驚いた様子でエルクに向かって攻撃し始めた。(とはいっても口の先でツンツ 04/06(Sat) 15:04:17
えせばんくる

[467] ンとつつく程度なので痛くはない。)だが問題はその数だった。一匹一匹の攻撃は全くかゆくもなんともなかったが、それが10匹30匹となると話は別だった。「わぁぁぁあぁああ!」エルクは必死に泳いで逃げる、だが魚の方が水中戦は得意の様でスイスイと前進しエルクをつっつきまわした。「あーたたた;もぅ!痛いってば!」そんな事いっても魚にわかるわけはない。逃げているうちにいつのまにか神殿の入口の中に入ってしまった。入口からは一本の通路しか見当たらない。「もぉ怒ったかんね〜!」エルクは“容赦なし!”といった顔つきで魚を通路におびき寄せた。あいにく魚は魚並の知能しかもちあわせておらず、ただエルクだけを目掛けて追っかけていく。あわれ魚。「サンダ――――!!」≪ピシャ―ン!≫魚はみごと黒コゲ。だが魚ほどではないが問題はまだ残っていた。「ケホッ!ケホッ!しまったぁ〜。水の中だったんだっけ〜。せめてシールドでも張っとけば 04/06(Sat) 15:19:21
えせばんくる

[468] よかったー。」エルクも自分の放った電気に少し感電してしまったもよう。(普通は仮死状態になるか気絶するのでは…?)「まぁいいや(いいのか!?)。成せば成るを信じて神殿探索でもしてみよー。ひょっとしたらまたコノ世界からの脱出口が見つかるかもしれないし。リグ達とも早く合流したいしね〜☆」エルクはリゲル達と合流するため、脱出口を探すため、見知らぬ神殿へと足を踏み入れた………。 04/06(Sat) 15:24:41
えせばんくる

[469] ―――リゲルはベッドの上に倒れこんだ。<これからどうしよう>そんな事をぼんやり考えていた。<エルク君もリグもいない。探さなきゃ…>そう考えていると突然別の声がリゲルの脳に語りかけた。《別にいいじゃん。そんな奴らほっといたって。いつもたんなる足手まといにしかなってない奴らだしさ。》その声がどこから、だれから発せられたモノなのかはわからない。だがリゲルは不思議なことに怖いとは思わなかった。<そんな事ない。リグ達は僕の大切なお友達で仲間なんだから。>《そんな偽善者ぶった事言ってもだーめ。君の本心はそんな事ちぃ〜っとも思っちゃいないよ?》語り掛けてくる言葉はまるでリゲルを誘惑するかのように言った。いや、むしろこの場合、“彼のことを動揺させるように”と言った方が正しいだろう。<そ…んな事ない。絶対ないよ!!>リゲルは負けまいとして必死に言い返す。だが奴はちっともおかまいなしな様子だった。《まぁおまえ 04/06(Sat) 15:43:12
えせばんくる

[470] が“口で”仲間だ友達だなんだと言おうが関係ない。心はそんな事ちっとも思っちゃいないんだから…》するとリゲルは弾けるような声で反論した<違う違う違う!絶対そんな事考えてるもんか!キミに僕の心が読めるわけないじゃないか!僕はちっともそんな事おもってない!!>すると奴はいきなり黙りこんだ。次の瞬間奴は声を振るわせて笑い出した。ただ笑っていたのは彼だけじゃなかった…《あはははは!》【くっくっく】〔いひひ〕{ふふふふふ}[HAHAHA]その声はリゲルにとってとても恐ろしく頭の中で響きわたった。<やめてよー――――!!>リゲルがそう叫んでも奴らの声は止まらなかった。次第にリゲルは動揺と混乱と本心とがぐちゃぐちゃに混乱し、いつのまにか頭の中は真っ暗になっていた……… 04/06(Sat) 15:54:10
えせばんくる

[473] 「!?」…誰かの声がした…だが振り返ってもなにもなく、ただ目の前に空っぽの世界が広がっているだけだった。リグは耳の後ろを掻くと、声がしたと思った方向に目を凝らしてみた。「…気のせいか……」しばらく見つめていても、動くモノの気配はしない。もうどのくらいここにいるのだろうか、まだ何分も経っていないのかもしれないし、何日も過ぎたかもしれない。時間の経過がわからなくなってきている。………何の音もなく、聞こえるのは自分の声と心臓の音だけだった。水の中のような浮遊感の中、ただ呆然とそこにいることしかできずにいる。---もう、リゲルやエルクに会うことはできないだろうか---そんな思いがふと、頭の隅をかすめる。「………ざけんなよ」…ふと我に返り、そんなことを少しでも考えてしまった自分に腹を立てる。まだ会えなくなると決まったワケでもないのに絶望的になってしまった。おそらく何もないこの空間がそうさせるのだろう。リグ 04/06(Sat) 17:32:44


[474] は髪の毛をグシャグシャとかき回すと、何もない空間をキッっと睨み返す。「…上等だ…」つぶやくと猛スピードで下に降り出した。「底が無いワケじゃない、行けるとこまで行ってやる…!」 04/06(Sat) 17:46:40


[475] 「きゃあ!」≪ひょいっ!≫「ほわっ!」≪くねっ≫「のぁぁあぁー!」≪ぺたーっ≫エルクは1人悪戦苦闘していた。何故か?そこにはあらゆるトラップが存在していたからだ。犬も歩けば棒に当る、エルクも歩けばトラップに当る、こんな感じで一足踏み出せばたちまち罠が待ちうけていたのだった。「なんでこんなに多いの〜〜!」エルクは“NO〜!”といった感じで次々と避けていく。どうやら逃げ足は素速い(?)ようだ。「あ!!」どんどん進んでいくと上に上る階段があった。だがその先は暗い。「ライト!」彼女の発した魔法光が付近を明るく照らし出す。と、同じに彼女はとんでもないモノを発見してしまった。「う…うあぁ…あううぅ」少し逃げ腰になりかけたエルクの瞳は若干うるんでいた。たぶん大概の者はエルクと似た行動に出るだろう。そう彼女が見たものは約5体ほどの人間らしき“屍”だったのだ……。 04/06(Sat) 23:44:22
えせばんくる

[476] その屍はそれぞれ同じような司祭ようのローブを身にまとっていた。屍のローブの裾は所々千切れ千切れになっており戦って戦死したのが目についた。4人のうち1人は女性だったらしく装飾品が沢山かかっており、4人に守られるようにして倒れていた。「あぅ…なんでこんなところに…」戦いには多少慣れているエルクでもさすがに人骨を目の前にするとだめらしい。だがエルクの通りたい通路のど真ん中にそれはある。もちろん回り道など存在しない。「ねぇ、起きてこないで…ね?」そう屍に言い聞かせながらさっさと渡ってしまう事にした。その先に恐ろしい魔物が住みついていることも知らずに…エルクは歩いていくとやがて大きな広間にでた。特にこれといった装飾品はないが気になったのは天井だった。ただの大理石でできているとおもっていたのにその天井はほんのり青く光りを放っていたのだ。「わぁきれいだなぁ…」だがエルクはその時自分の背後から静かに忍び寄 04/06(Sat) 23:59:22
えせばんくる

[477] ってきている魔物の気配にまったく気づきはしなかった………。 04/07(Sun) 00:02:56
えせばんくる

[480] どでかい魔物が音もなくエルクに襲いかかろうとした。エルクははっと振りかえったが、時すでに遅し。鋭い爪が目の前にあった。『っ!』襲いくる痛みに耐えようと、目をきつく閉じて歯を食いしばった。しかし。しかし、だ。その衝撃はこなかった。そろそろと目を開けると、そこには止まってしまった魔物。やや遅れてその体が崩れ落ちる……真っ二つになって。驚いたエルクは、さらに驚いた。崩れた魔物の後ろに、あの黒のローブの男の方がいたからだ。男は剣を血振りして鞘に収める。口をぽかんとあけている(間抜けな)エルクを見て、「大丈夫……そうだな」と言った。エルクは声をかけられてやっと我に返った。『助けられたからお礼はするけど……あんた一体なんなの!?』その反応は予想できたことだったのか、男はうんざりしている。「あー……かったりーなー…。俺はなぁー、アルに言われててめーのお守りしに来たんだよ」その瞬間、エルクは瞬間的に固まっ 04/07(Sun) 10:07:49
管理人・闇空

[483] た。「はぁ…?え?お守?えぇ!?なんでまたそんな事に…?」するとローブの男はまたうんざりした声で答えた。『だぁ〜からアルに頼まれてるっていったろ?あいつに頼まれてなかったらおまえなんか見殺しに決まってんだろ。』「えぇ;そ、それもかなり困るかも…」エルクはとりあえず助けてもらったお礼をした。「まぁお守はともかく、さっきはありがとう。危うくひき肉になるところだったよ。」あははといった感じでお礼をすますとまたお守おの話に戻った…… 04/07(Sun) 12:24:06
えせばんくる

[484] 「だ〜から何でって聞いてるでしょ〜?」『何度も言わせんな。アルに頼まれてるっていったろ?』するとエルクはさらに言った。「僕が聞いてるのはそこじゃなくって、どうしてそのアルって人が僕を守れってキミに言ったのかって事だよ〜。」 04/07(Sun) 12:27:45
えせばんくる

[485] 「知るかよ。俺は不機嫌なんだ」エルクはここでふと疑問を持った。こいつの名前はなんだ?アルって何者??『ねぇねぇ、君ってなんて名前?アルって誰?』思った事をそのままストレートに。男にとってはいい迷惑。「俺のことはベルって呼べ。あとアルってのは俺と一緒にいた奴のことだ」その返答にエルクは納得……しかけたが、できなかった。結局なんでアルが自分を助けようとするのかがわからない。「だいたいよー、なんで俺が角もしまえないような奴のお守りせにゃならねぇんだっつーの。ただでさえ最近はアルと……」最後の方は完全な独り言になってしまい、エルクは聞き取れなかった。 04/07(Sun) 14:39:53
管理人・闇空

[486] 「ねぇ、お守りって事はさ、僕と一緒にしばらく行動するって事だよねぇ?」エルクは相手に問いかけた。不機嫌をあらわにしながらも親切に奴は答える。『あぁそういう事になるな。』「じゃあ何はともあれとりあえずは仲間だよね。よろしく☆」『はっ…?!なんでそーなるんだ!?』「よっし!先に進もー♪」必死に抗議を続ける彼の言葉など聞きもせずエルクは歩き始めた。……しばらく歩き続けると十字路に突き当たった。どこもかなり遠くまで続いているらしい。「ねぇそういえば名前。ベルさんって呼んだらいい?」すると彼はぶっきらぼうに『ベルでいい』と答える。「じゃあベル。どっちの道にいったらいいかわかる?」『そんなものてめーがてめーで決めやがれ。』つんけんとした態度にエルクはふくれる。「もぉ、助言してくれてもいいじゃん。」『あ〜お守りは大変だなぁ〜。後でアルにはなにかしら請求しないと…』ベルはさも“大変”そーに独り言を聞こえる大き 04/07(Sun) 17:44:51
えせばんくる

[487] さでつぶやいた。「だったらこっち行こう。」彼女が指差したのは右。『何故そっちなんだ?なんか根拠でもあんのか?』彼はエルクに回答を求める。「え。直感的にこっちかなぁーって…」エルクはいたってふつーな顔。ベルは何がでるかわからない道を選択する緊迫した状況で普通に“直感”で道を決めた彼女に呆れた。『おまえがそお言うんだったらそっちでいいんじゃねーの?』彼はとりあえずおとなしく彼女の後に続いて右の通路に進んだ……。 04/07(Sun) 17:52:42
えせばんくる

[488] 深い闇の中に、リゲルはうずくまっていた。いくつもあった人形たちはいつの間にか姿を消し、そこにはリゲル一人になっていた。《君は一人ぼっちなんだよ》どこからともなく声が聞こえてくる。誘うような、脅すような声。「違う…違うよ……」膝を折り曲げ頭を抱えて、リゲルはまだ必死に抵抗していた。「リグやエルクくんは…大切な…仲間だよ……」…本当に?本当にそうなのか、わからなくなってきた。《仲間?じゃあ君は…二人のこと大好きなんだね?》「……うん…」抱えていた頭を上げる。その答えだけは、変わらないものだった。《ふ〜ん…》声は黙ってしまった。「リグたちは、大好きだよ。…仲間とか、そういうのはわからないけど…でも、とっても…大切だから…」声がかえってくる。 04/07(Sun) 18:36:14


[489] 《じゃあさ、もしその二人が、君のこと嫌いだったら?》「……え……」考えてもいなかったことを訊かれて、言葉に詰まる。気が付くと、目の前にリグが立っていた。「…リグ……ッ!?」 04/07(Sun) 18:44:15


[490] 『お前なんか、大嫌いなんだよ』そう、現れたリグは言い放った。凍りついたのは、リゲル。『嫌いなんだよ』そしてリゲルの首に手をかける。リゲルはかたかたと震え出す。どうして?どうして??訳がわからなくなっていた。と、その時。『うわぁぁぁっ!!』どちゃっ!どしっ!と言う音と共にリグの上に落ちてきたのは……リグ。しかもさらにその上には黒の魔道師。「……イタズラがすぎたようだね。せっかくの客人なんだから…」黒の魔道師がそう言うと同時にその周りから巨大な力がわきでた。それは周りの闇さえ取り払う。気持ちの悪い悲鳴が響き渡った。「……さぁ、これでいいね」余裕綽々といった感じでそういうと、リグの上からおりる。リグは勿論……怒っていた。『なんなんだよテメー!!』「秘密。」即答された。「『アル』って呼んで。あと、エルクの事は安心して。ベルがいるから」『ベル?』二人してきく。「もう1人の方。じゃ、またね」『は!?』言うが 04/07(Sun) 19:20:45
管理人・闇空

[491] 早いかアルはまたしても消えてしまった。 04/07(Sun) 19:21:16
管理人・闇空

[492] 『ったく、あいつ一体…』リグとリゲルは無の空間から黒いローブの者、アルによって助け出された(?)あと廃墟となった神殿のような建物の中にいた。とりあえず歩こうという結果にでた2人は薄暗い通路をテクテクと歩いていった。『…ねぇ、リグ。ひとつだけ…聞いてもイイ…?』いつもの元気なリゲルと違い今のリゲルの声は心なしか沈んでいた。いつもと違うリゲルの雰囲気をリグは察したのかぶっきらぼうではあるが答える。『なんだ?』『リグやエルク君は…僕の仲間だよね?それともそれは僕の思い違いなのかな…って。』リグはリゲルを見下ろし口を開いた。『エルクはどう思ってるか俺にはわかんねーけど、俺はおまえの事仲間だとおもってるぜ?』リグが明るくそういうとリゲルは突然ポロポロと涙をこぼした。『ゴメン…変な事いきなり聞いちゃって。ちょっと…ね、≪ヒック≫怖かった…んだ。僕が1人で友達だなんて思いこんでるだけなのかな…って。』リ 04/07(Sun) 20:45:05
えせばんくる

[493] ゲルはヒックヒック言いながらもリグに語りかけた。いつもリゲルが泣いたりする時はからかったりバカにしたりするリグだったがいつもと違うリゲルに少し困った様子だった。リグはリゲルの方に向き直り、リゲルの頭と肩に手を置き言った。『なんだ…その、おまえに何があったのか俺にはわかんねーけど泣きたい時は一気にぶちまけちまった方が気持ちが落ち着くぜ?きっと。(たぶん…)』リグはそう言うとリゲルの頭をクシャクシャっとなでた。『う…うん。そうだ…ね、アリガトウ…。』最後の方の言葉は嗚咽に変わっておりでリグにはあまり聞こえていなかった。そのときリゲルは大粒の涙をたくさんたくさん流した。しずくがポタポタと床に落ち丸をつくる。まるで彼の恐怖と不安を流し去るように…。リグは何も言わずただリゲルのそばにいた…… 04/07(Sun) 21:01:54
えせばんくる

[494] 「……なんなんだあいつは…?」起きあがるとこっちに振り返るリグ。「お前、大丈夫だったのか?」ペタンとその場に座り込んでいると、リグはなんの躊躇もなく手を差し出してきた。無意識に、その手を取ってしまう。「ありがと…」「よし、大丈夫そうだな。エルク探しにいくぞ。」「………」本当は、リグは自分のことをどう思っているのだろうか。そのことが頭から離れない。「どうしたんだよ?」いままで勘違いしていたのかもしれない。「あのさ…」「あ?」呼びかけるとリグは不思議そうに見つめてくる。いっそのこと訊いてしまおうか…?「あのさ、…リグは…」---僕のこと嫌い?---訊こうとしたが言葉にならなかった。涙が溢れそうになるのがわかる。……もし嫌いだって言われたら僕は…… 04/07(Sun) 21:15:55


[497] きゃ〜〜〜〜!!入られてしまいました!!でも梧が書こうとしていたのよりイイカンジなので梧のは気にしないで下さい!!どうしても続きを知りたい方はメールでお問い合わせ下さい!! 04/07(Sun) 21:54:55


[498] きゃ〜〜〜〜!!梧さんゴメンナサイ〜〜!! 04/07(Sun) 22:02:15
えせばんくる

[499] 一方エルクとベル。右の道に進んだ途端、巨大な鉄の塊等が落っこちてきていた。『うわぁっ!』『わひゃう!!』『わぁぁぁ!!』と叫び声も色々。ベルと言えば…後ろで傍観を決め込んでいる様子。『ちょっとベル!』いい加減キレタのか、エルクが叫んだ。「あ゛ぁ?なんだよ」面倒臭そうに腕を組みながらベルは答える。『助けてくれたっていいでしょ!?』「なんで」またしても、即答。『だって君、僕のお守りしてるんでしょ!?』「そう言う事になってるな」『じゃぁなんで助けてくれないのさ!!』言われて、短気なベルはエルクの目の前に立ち、一指し指をつきつける。(エルクが思っていたより、ベルは長身だ)「お前を助けないのはお前だけで平気そうだからだ。俺はわざわざお前のために余計な事はしたくない。俺は最近お前等の所為でアルとヤってなくてイラついてるんだよ。大体なんでお前はその角を出しっぱなしにしてるんだ?人間の中にいたら目立ちすぎるだろ?そ 04/07(Sun) 22:02:35
管理人・闇空

[500] れとも本当にしまい方を知らないのか??」ベルはとてつもなく不機嫌そうに一気にまくしたてた。しかしエルクはベルの不機嫌さなどより台詞の内容にビックリだ。角のこと、ベルとアルの関係のことでかなりの疑問と衝撃を受けていたのだ。 04/07(Sun) 22:03:29
管理人・闇空

[501] どうせだったら2人のレスを混ぜたような内容ってことにしといたらどうですか〜? 04/07(Sun) 22:04:38
管理人・闇空

[503] 「ねぇ…角、しまうとかしまわないのかとか…一体何の話をしてるの。」彼女の表情は真剣だった。『おまえ…ほんとに戻し方わすれたのか…?』その時彼らの頭上から大きな岩が落ちてきた。だがこの時、エルクは真剣な顔つきでスピアロッドを素早く取りだし円を描くように上に振り上げ岩を砕いた。「ねぇ、教えてよ。知ってるんでしょ?少こしは知ってるでしょ。ねぇお願い!」彼女はベルに詰め寄り、ローブの裾を掴むとエルクは揺さぶりながらそう言った。 04/07(Sun) 22:31:26
えせばんくる
[504] 「知ってるも何も…お前親から何も聞かされてないのか?」その言葉に、エルクは気まずそうに話し出す。『…記憶、ないの』ベルはその解答になるほどと納得した。「…なら、少しだけ教えてやる。まず、種族についてだ。はっきり言っちまうと絶滅した」またしても、エルクは衝撃を受けた。「…と言われている。実際は違うけどな。次に角の消し方だが…」ベルは少し考えてから、決心した様に言葉をつなぎ出す。「角に手を当てて、呪文を唱える。それだけだ。呪文は【銀の名において、我が身を守らんがために我が身の一部を隠さんとする】だ。やってみろ」言われるままに、エルクはとりあえずやってみた。すると…『…あ!』角が、消えたのだ。「ついでに、角を出す時の呪文は【銀の名において、我が身の隠されし姿を現さん】だ。覚えとけよ」不思議な思いで額を触りながらまだたくさんある疑問が口をでようとした。しかし、先にベルが口を開いた。「もっと詳しいこ 04/07(Sun) 22:55:15
管理人・闇空

[505] 「僕昔の事わかんないし、自分の種族がいったいどういった人たちなのかもわかんないんだよぉ。別に…今は気にしてないけど昔は“どうして僕には皆にない角がついてるんだろう”って考え悩んだ事もたくさんあった。僕は一体なんなの!?」ベルはエルクの肩をつかみ引き剥がすと説明しだした。『今はあまり言えないが、お前の種族はもうすでに滅んでいる』「そ…そんな…。」『あと前お前にリヴァイアサンが入った事があったろ?』「う…ん」『あれはお前に宿っている召喚獣だ』すると彼女は驚いたように目を大きくした。「えぇ!って、何?」『お前召喚獣も知らないのか?(呆れ)召喚獣って言うのはお前自信が召喚できる使い魔の事だ。お前のリヴは水の属性。雷には弱いんだ、気をつけろよ』何故か彼は親切に召喚獣の説明まで付けてくれた。『あとお前の角と翼、銀の瞳はお前の種族特有の物だ。』「そう…なんだ」彼はこの後彼女が黒白両魔法使えるのも種族の力 04/07(Sun) 22:55:32
えせばんくる

[506] とは、俺からはまだ話せねぇ。アルが直接、話すはずだ」そして、今度はベルが歩き出した。 04/07(Sun) 22:56:53
管理人・闇空

[508] についても話した。「……うん、いろいろアリガトウ。なんで僕にリヴが入ったのかもわかったし」彼はお礼を言われると、すぐに返事をニヤッと返した。『ドウイタシマシテ☆』そう返事をかえすと足早に通路の奥へと向かった。「あぁ!待ってよ〜!」エルクはさっきまで動揺していたこともあり行動がワンテンポずれたがすぐにベルを追いかけた…… 04/07(Sun) 23:03:21
えせばんくる

[509] はぅあ!レスかぶったー!(爆)についても話した。はカットしてそのまま続けてくださいでし… 04/07(Sun) 23:04:54
えせばんくる

[510] よし、話ミックスと言う事で。504,506はつなげてください。そのあと505にすればたいしておかしくないはずです。 04/08(Mon) 10:08:09
管理人・闇空

リゲルはどうやらすっきりした気持ちのようだ。
薄暗い神殿の中だがリグには手に取るようによくわかる。
リゲルの顔はどこか微笑んでいるようだった。

2人は途中でいきずまる。十字路だ。
『どっちにしよう…』
『迷っててもしかたねぇ。こっちだ!』
リグは自信まんまんに自分から見て左の方向を指した。
『なんで左?』
リゲルはキョトンとした顔で答えを求める。
するとリグはあったりまえだといった表情で答える。
『俺がこっちだと思ったからだ』
どうやらエルクとリグの考え方は遠からず似ているらしい。
『ほらいくぞ』
リグは踵(きびす)を返すとどんどん奥へと進んでしまった。
行動はまるでベルのようだ。
『あぁ〜;置いてかないでよ〜;』
リゲルは危うく置いてかれるところだった。

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えせばんくる
ごねんなさい。
名前、「rapis」はえせばんくるのことっす。
あしからず…(汗)
02/04/08 15:34 『修正』

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管理人
左に進んだはいいものの。
罠が溢れかえっていてかなり危険であった。しかも分かれ道を進んでいくと、なんだか同じところに何回も出てきてしまう。そして2人はやっと気づく。……つまるところ、どこをどう進んでも結局道は1箇所で交わる。つまり進める道は真中の道だけであったのだ。
『なんだよ、結局この道しかねェのかよ』
 と不機嫌丸出しで言ったのはリグ。
 リゲルは、
(左でも右でも結果は同じ……)
 としみじみと感じていた。
『しかたないね。進める道は一つだし……』
『進むしかねェしな』
 とお互い納得して、2人は前に進み出た…。
02/04/08 18:36 『修正』

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えせばんくる
(修正:1) さて、話しはエルクとベルの方に戻る。
≪カツーン…カツーン…≫
2人の足音が交互に重なる。
エルクはベルから自分の事を少し聞き出せて
落ち着いたのか足取りが軽い。
「ねぇ?キミ達はいったいどこに住んでるの?」
エルクは思った事をそのままベルにぶつけた。
『言えねーよ』
だが彼は舌を“ベーッ”と出す。
「ちぇ〜っ…」
なにを言ってもどうせ流されてしまう事がわかったのか
エルクはおとなしくなった。
だがこの2人、始めてあった頃よりは
お互いなじめたらしく
エルクはダメもとでもいろいろな質問をぶつけるし、
ベルの方もぶっきらぼうではあるが答えられる範囲内では
親切にも答える。
(ただかなりマレだが…大概受け流してしまう事が多い。)

2人が雑談を交えながら通路を進むと突然ある気配を感じた。
それはまだ遠いが少しづつ近づいている事が
少しづつわかってくる。
「…だれかくるね。まぁ人か動物かはわかんないけど」
彼女が静かに気配を消しながら話しかけると
彼の方も気配を消し、前を向きながらではあるが返事をする。
『動物じゃねーな。“人”だ。
人間かゾンビかはたまたゴブリンかはわかんねーがな。
ま。あくまで推測だ。行ってみりゃーわかる』
2人はとりあえず相手がなんであれ武器に手をかけ前進した。
(「リゲル・リグだとイイな…」)
エルクはふとそんな事を願いながら
気配の方へと足を動かした…

02/04/08 22:52 『修正』

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管理人
 そして出てきたのは謎のグロテスクな物体が二つ。
『うわぁぁぁっっっ!!!』
 気持ち悪さのあまりにエルクは叫んだ。
 叫び声に反応したグロテスクな物体二つはこぼれかけている眼球でもってエルクを見た。彼女はもう、声も出ていない。口パクでなにかを訴え様としているが(その様はまるで酸素不足の金魚)、隣に居るベルはまるで無視。口笛を吹いて「ゾンビさんのお出ましぃ」とか言っているだけであった。
(リゲル達じゃない〜!!)
 半泣きに近い状況でエルクはそう思ったわけだがここで一つの可能性を考えてしまった。
 もし、あのゾンビがリゲル達だったとしたら?
 恐ろしすぎる考えに、エルクはぶんぶんと頭を振った。
(そんなわけないじゃないか!!)
 そう気を取り直してロッドを構えた……が。
 が、しかし。
「お前なにちんたらしてたんだよ」
 とは、とっくのとうに(音もなく)ゾンビ2体をあっけなく倒したベル。まさに瞬殺。手には何かが入っていただろう空の瓶が握られている。
『……なにしたの?』
 その素朴な質問にベルはあっけらかんと答えた。
「聖水ぶっかけた」
 お前が混乱してる間にな、との皮肉も忘れないあたり彼は『いい』性格をしていると言えるのであろう。
「さっさと行くぞ。俺は早くお守りから解放されてアルに会いたいんだ」
 そしてベルはさっさと歩き出してしまう。反論しようとして悩んでしまったエルクが、慌てて彼の後を猛ダッシュで追いかけねばならなくなったことは、言うまでもない……。
02/04/10 19:50 『修正』

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えせばんくる
エルクは皮肉を言いながら去ってしまったベルに
追いつくとふと考えた。
(…もしもアルが♀だったら〜…ひょっとしてベルってば〜…)
「ねぇベル〜。アルってさ、ひょっとして女性だったりする?」
『仮にそうだとしたら?』
ベルは口元からも表の表情を見せずあいかわらず不機嫌そうに
聞いた。
「アルって、もし女性だったとしたら
ベルの彼女だったりすんの?」
エルクは少し冷やかしぎみに言ってやった。
(先ほどのゾンビの件の仕返しか…?)
『♂だったらどーすんだ?』
彼はワザと深いツッコミを入れてきた。
エルクは「えぇ!?そ…そんな事言われても〜…」と
言葉が詰まってしまっている。
「え〜…っとぉ…」
彼女が頑張って考えこんでいると
いきなり彼の足が止まった。
案の定、考えこんでるエルクはその広い背中に
激突することに…
「ぐはっ!!な…なんで止まんの〜;」
またもや鼻の頭が桃色になったエルクが
やつあたりをしようと前に向き直るととんでもないモノが
またもや現れていた。
手や足、外見はさっきのモノよりはっきりと
留めていたが、先ほどの方がまだタチがよかった。
『お前今日はサンザン死神に好かれてんな〜』
そんな事を抜かす彼の口元は絶対に楽しんでいるようだった。
『まぁあいにく聖水はもう無いんでな〜。ま、がんばれ♪』
彼は完全に観戦を決めこんでいるようだ。
だがエルクとしては
さっきの戦いよりこっちの戦いに参戦してほしかった。
何故ならその敵、ゾンビで出てこないでほしいと願っていた
“リゲル達”であったから……。
「そ……そんな……」
02/04/10 23:53 『修正』

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管理人
 混乱していると、そのゾンビはエルクに襲いかかってきた。
 とにかくエルクは逃げまわる。一方ベル。
「……」
 傍観。
 エルクからしてみればいい迷惑。
 ベルはベルで思慮にふけっている。
 ありゃぁアレだな。エルクに幻影見せてるな。さぁ、いつ気がつくのやら。でもアルと約束してるしなぁ。話せる状態にしておくって。いつごろ助けりゃいいんだろな?
 あまりにも身勝手な思考回路とも言えなくもない事を考えながら、結局ベルはまだ傍観を続行している。
 エルクにどう見えているかは置いておくとして、はたから見ている分にはただのスライム状の物体Xだ。燃やせば一発で死ぬようなものである。
(さぁ、末裔サンはどうするのかねぇ)
 ベルはそう思ったあと、アルになにを請求しようかと考えだしていた……。
02/04/11 14:22 『修正』

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……「……」……「……」……「どうする?」リゲルたちは唖然としていた。「どうしようもねぇだろこれは…」道を進んでいったリゲルたちだが、その先には、大変なものがあった。「やっぱり……行くの…?」「ここで立ち止まってるわけにはいかねーだろ…」目の前にあるのは、通路に空いた大きな穴(10Mくらい)と、その中で蠢く緑色の触手状のもの。「……どうする?」……「……どうしようもねぇだろこれは…」
02/04/11 17:49 『修正』

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管理人
(修正:1) 「ずばり飛べばいいんだよ!!」
『『!?』』
 突然降ってわいた聞き覚えのある声にリゲルとリグは思わず振り返る。
 そこにはやはり相変わらず黒いローブのアル。手を腰に当てていてやけに偉そうだ。
 しかし突然『飛べばいい』なんて言われた方はたまったモンではない。
 なにも反応のない二人に対して、アルはわざとらしく首をかしげて見せる。
「飛べばいいって言ってるでしょう?」
『どうやって飛べってゆーんだよ』
 リグがもっともらしい質問をいれた。(すでにこの2人はアルがどこから出現したかなんてことは訊かない)
「こうやって」
 あっさりと、アルは言って指を軽く振る。
 え?、と混乱しているうちに、リグは見事に。

 吹っ飛んだ。

『うわぁぁぁっ!!!!』
 そして、あっという間に向こう側へ着地(衝突、と言う表現の方が近いかもしれないが)。
『リグ!?』
 リゲルは吹っ飛んでしまったリグを半ば青ざめた顔で名を呼んだ。アルと言えばリゲルの後ろで「よし」とか言っている。はっきり言ってどこが『よし』なのかが不明だ。『よし』である事柄と言えば、向こう側に着いたことぐらいだ。
「じゃぁ次は君」
『え?』
 次の瞬間、リゲルはリグと同様に吹っ飛ばされた。
『わぁぁぁっっ!!!!』
 そして、着地……リグの上に。着地の瞬間、ぐえっ、と言う声が聞こえたのは言うまでもない。
「渡れたでしょう?」
 とは何時の間にか渡ってきたアル。
『……あ゛ぁ、たしかに渡れはしたけどなっ』
 言葉がトゲトゲしているが、アルは一向にお構いなし。
「ま、いいでしょ?」
 と言って、アルはすたすたと歩き出す。
 そんな姿に、2人は驚く。なんせ出てきてはすぐに消えてしまっていたアルが歩いているのだ。
「なにしてるの?追いてっちゃうよ?」
 取りあえず立ち止まって、声をかける。リグとリゲルは顔を見合わせ、ついていくしかなさそうだと判断した。
(なんか俺ばっかり痛い目にあってねぇか?)
 リグは、そう思わずにはいられなかった……。
02/04/12 18:20 『修正』

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えせばんくる
エルクは逃げ回る。
「\○△○/〜〜!!」
もう言葉になってない。
『クスクス…』
ベルはいつどうやってエルクが相手の本性を見破れるのか、
楽しみながら見物している。
(さ〜てどうなるかな?)
エルクは通路の隅まで到達してしまうと観念したように
クルっと向き直った。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
泣き顔では無いものの、完全にあわくっていた。
さっきまでは眼球や足がついていたリゲルだったが
今は片足も無く、眼球もタレ落ちかかっていた。
≪パクパクパク…!≫
エルクは恐ろしくなってしまって声が出てこない。
これが単なるゾンビなら、たぶん恐れはするけど
すぐに立ち直って攻撃を開始するだろうが
今の相手はなんといっても今まで一緒にいたリグ・リゲなのだ。

僕はとりあえずスピアを構えた。
構えてはみたものの多分僕に彼らを切るのは
かなり度胸がいるだろうなぁ。
「…?」
あり?
なんかよく見てみるとリゲル達(ゾンビ版)の行動には
なにかしらパターンがあるみたいだ。
こっちに向かってこようとはしている、だが
それ以上攻撃してこようとはしない。
なんで―――?

ここでようやく奴らに疑問を感じ始めた。
≪ちゃきっ…≫
エルクはロッドを頭上に構えると
心に込み上げてきた言葉をそのまま投げつけた!
「ホーリー!」

次の瞬間奴のカラダは弾けとんだ。
跡形もなくキレイさっぱり消え去っていた。
「『!?』」
エルクはもちろん
こんなことになるとはベルも予想がつかなかった。
てっきりベルは
エルクは相手の正体に気づかず、あわてふためいて
自分の助けを借りる事になるだろうと踏んでいた。
だが結果はどうだろう。
物体Xは影すらない。
(アルへの請求はまたの機会だな)
ベルはアルへの請求がおあずけになった事は
残念そうだったが皮肉げに微笑みながら彼女の方を
“遠巻きに”見つめていた……。

02/04/11 22:18 『修正』

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管理人
 そしてアルとリゲルとリグの御一行はと言うと。
『おい』
 前方をさっさと歩いていくアルに対して、リグの足取りは随分と重い。
「なに?」
『俺達をどこに連れて行く気だ?』
「秘密♪」
 聞いた途端即答されてしまい、リグの足取りはさらに重くなってしまった。
『ところでなんだけど……』
 とおずおずと声をあげたのはリゲル。
「なに?」
『アルさん、平気なんですか?』
 リゲルの言わんとしている事は、こうだ。
 以前会った時、アルは血を吐いていた。ここにいて、はたして平気なのだろうか?
 言葉は少なかったが、それでもアルには伝わったようであった。
「……ここなら、平気」
 静かな物言いであった。
 しばらく沈黙が続いていたが、進行方向からなにやら話し声が聞こえてきた。二人分の声。片方は色々喋っているようだが、それに対するもう一方の声はかなり素っ気無い。
 その声は、3人とも聞き覚えのあるもの。
『『エルク!?』』
「ベル?」
 リゲルとリグが驚きの声をあげ、アルがぼそりと名前を口にした。すると向こうから『リゲル!?』「アル!?」と言う声が返ってきた。
02/04/12 18:38 『修正』

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えせばんくる
(修正:1) エルクは声のする方向に反応した。
またベルの方も同時だった。
「リゲル!?」『アル!?』
エルクは先ほどのゾンビの出来事を
キレイさっぱり頭の片隅から抹消し(笑)、
ベルのローブを引っつかむと声の方向へと
猛ダッシュ。
たとえまた偽者だったとしても
とりあえず確認する気なのであろう。
『おい。おせーんだよ。』
すると彼、ベルは逆にエルクの事を抱き上げると
彼女の1.5倍くらいの速さで走り出した。
並の人間のスピードではなかった。
まぁ脚の長さというモノも関係あるであろう。
この場合…。
「きゃ〜!怖い〜!」
『だー、うるせんだよ!じっとしていやがれ!』
抱き上げられるという体験をはじめてした
エルクは当然の事ながらジタバタともがく。
(しかもスピードも速いのでよ〜く揺れるのだ。)

ようやく顔がはっきりしてきた。
『『エルク!!』』『あー、やっぱりね。』
「リゲルぅ〜!リグぅ〜!(爆涙)」『アル!』
そういうとエルクはリゲルとリグの方へと駆け寄る。
ベルの方もアルのいるトコロへと歩み寄る。
次の瞬間…
≪ずぱー――――――ん!!≫
ベルはみごと!後頭をアルにハリセンでもって殴られた。
ちなみにクリーンヒットだ。(笑)
『な…!?』『浮気禁物☆』
『だれがンな事したよ!!??』『さぁね♪』
アルはどこからともなく取り出したハリセンを
手の上でポンポンとやりながらニヤリと笑っていた。
たぶんアルが言っているのは、
エルクを抱きかかえてきた時の事を言っているのであろう。
『俺はお前と速く合流する為になぁ…。』
『ところでエルク君たち。もう大丈夫だね。』
アルは抗議を続けるベルをさらっと無視し、
エルクの頭についたホコリをはらいながらたずねた。
やはり深いローブの黒で鼻の頭から上は見えない。
気になりつつも彼女は返事を返した。
「う…ん!もう大丈夫だと…。」


02/04/12 21:38 『修正』

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管理人
 そこで、3人の前で信じられない光景が起こった。
 3人とも、固まった。

 ベルがアルに、キスをしていた。

 3人の顔が一気に赤くなっていく。
 とうとうキレたのは、リグだった。
『お前等なにやってんだぁぁぁっっ!!!!』
 その声で、ベルはアルから離れる。
「ただいまのキス。」
 しれっと(しかもさらっと)そう答えた。
『てめぇらは新婚夫婦かなんかかぁぁぁぁっっっっ!!!!!』
「……何か違うな」
「あとなんでベルが勝手にやった事なのに私まで数えられてるの?」
 アルは心なし不機嫌。リグはひたすらに不機嫌(でも顔は赤いままである)。ベルは邪魔されて(?)やっぱり不機嫌。そして残る二人顔を赤くしたまま何も話せないでいる。
『〜〜〜〜〜〜っ!!!!!』
 リグは頭を抱えて地団太を踏んだ。
「ま、どうでもいい」
 ベルはそう言うと、アルを抱き上げる。エルクの時は脇で抱えていたが、アルの時はしっかりお姫様だっこだ。
「ベル!?」
「じゃぁな」
「私はまだ話したい事が……っ」
 反抗するアルに「なーに請求してやろうかなあ?」とか意地悪く言った後、ベルは「じゃぁな」と捨て台詞を残して消えてしまった。
『……アルって女の人なのかなぁ…』
『さぁ…』
 素朴なリゲルの疑問に答えられる者は、すでにこの場にはいなかった……。
02/04/12 22:10 『修正』

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えせばんくる
2人が立ち去ってからしばらくして
ようやく機能が少し回復した3人。
(そりゃ〜、“あんな事”を目の前で堂々とされてりゃ
機能停止しかかるだろう。(笑))

「はぅあ〜…;」
と初めに口を開いたのはエルクだった。
だがまだ顔は赤かった。
頬に両手を当ててため息なんかついてる。
だがそんな風なのは彼女だけではなかった。
『……;』
無言で顔を赤らめているのはリグだった。
まぁ彼の場合、こんな事を目の前にするのは
初めてだったのだろう。
まぁいわゆる“ウブ”というやつだろう。
リゲルはと言うと
いち早く立ち直ってエルク達を見ている。

ようやく機能が完全に回復した一行は
行動を開始した。
「それにしてもあの人達…
あんな事してたけどさぁ、って事は
アルって女性なんだよねぇ〜…?たぶん。おそらく;」
エルクはボソボソっと口を開く。
まだほんのり桃色だ。
またさっきの事を思い出さされたリグは
ボッと赤くなった。
『そうだよねぇ。もしもアルが男だったら
あの2人ってホモ、もしくはゲイって事に
なっちゃうもんね〜…。』
「もしもアルが男だったとして
まともな恋だったらベルが女って事――!?」
エルクとリゲルがさっきの話題について
語り合っていると、とうとうリグが爆発した。
『おぃ。その話題いい加減にしろよ…;』
だが不発だった。(笑)
もう脱力しまくりって感じ。
「でもさ、あのふたり組。
ぴったり息あってんだかあってないんだか…」
『そうだねぇ〜…』
「ねぇリグ。なんなら経験してみる?
ここに“カワイイ”女のコひとりいるし☆?」
エルクは自分の事を指差しながらリグを
からかってみる。
『ほぉ〜。まぁ“カワイイ”かどうかは
ともかくとして、お前本気でいってんのか?
もし本気なら相手してやるけど?』
「え?じゃあ本気だったら良いんだ〜?」
エルクにそう言われ、顔を覗き込まれると
リグのパラメータが一気に上昇した。
『バっ…!バカやろう…』
どうやらこの勝負エルクの勝ちだったようだ…

まだまだ“ウブ”な3人組はとりあえず
“大人”なふたり(?)(まあ彼らにとってはだろう)
を追いかける事にした。

02/04/13 11:32 『修正』

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とりあえず近くにあるドアから外に出た三人は、今度は西洋風な洋館の、大きな螺旋階段の途中にいた。
「えっ…?」
驚いたのも束の間で、最後にエルクが出たとたん後ろのドアがいきなり消え失せてしまった。螺旋階段は長々と続き、一番下の階がかろうじて見えるぐらいだった。上に至っては、長すぎるせいか見えなくなっている。
「……こうもグルグル場所が変わると、ワケわからなくなってくるな…」
リグのつぶやきに、エルクも答える。
『ほんとだよねぇ…しかも階段長いしさぁ〜…』

02/04/13 19:21 『修正』

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えせばんくる
『「じゃあ下への階段進むか。」』
声を揃えて言ったのはエルクとリグだった。
『なんで?』
リゲルはと言うとキョトンとしながら2人を見てる。
『「ただ単に“感”!!」』
出てくる言葉まで一緒だった…(かーん)

下まで続く階段は長々と続く。
降りても降りても、まだまだ続く。
下の方にかろうじて入口が見えてるとはいえ
全然進んでいる気になれない。
「ねぇ。この階段さ、
ずぅ〜っと続くんじゃないの?」

エルクとリゲルでグリコをしながら
進んでいるけど、とうとう遊んでいる事にも
飽きて来た。
まだ扉はかなり下だ。
「ねぇ…。かなり無謀なことなんだけどさ。
ここから3人で飛び降りてみない?」
リグはぎょっとした様子で彼女を見る。
そして言った。
『却下。』
だが異議を唱えたのはリグだけだった。
『僕、良いと思う。
このままいてもどうしよもないしね。
やってみようよ!リグ!』
リゲルは賛成の声をあげた。
『でもさ。どうやって?
闇雲に飛び降りでもしたら
本当にゾンビーになっちゃうよ?』
すると彼女、あの“ゾンビ”事件を思い出し
鳥肌に。
「あのさぁリゲルぅ。
僕の前でしばらく、その“ゾンビ”って
言葉、使わないでね〜。ちょっとしたトラウマが〜…」
『で、どーすんだ?どうやって飛ぶんだよ。
翼があるわけでもねーんだ』
リグは飛び降りる方法をエルクに要求した。
彼もそれ以外に方法は無いと思ったのだろうな。
「翼…ね。
無くはないんだよ。」
『『え…?』』
するとエルクは自分の胸に手を当て、
リゲル達には意味不明な呪文を唱え始めた。

【銀の名において、我が身の隠されし姿を現さん】

呪文を唱え終えると
彼女の背中から彼女の座高くらいの大きさの
翼が出現した。
深い緑のそれは彼女を包みこむようでもあった。
「ね。これで下までいけるかもしれない」
リゲルは『わぁすごーい…』などと
関心を声に表す。
『おまえ…角はえた変な奴だとは
思ってたが翼まではえてるとはな…』
リグは驚きのあまりそのような言葉を
口にしたのだろう。
だがその言葉はエルクの胸に少し
刺さった。
「あは…。まぁいいじゃん☆
そんな事より試してみよ!」
エルクは悲しみを押し隠し決断を求める。
リゲ・リグもそれに賛成し決行した。

「いち・に…さん!!」
≪ぴゅるるるるるるるるるるる〜〜≫

「きゃ〜!落ちるぅ〜!」
『ばか!だからお前の翼があんじゃねーか!』
『エルクしっかりねーー!!;』
3人はしっかりお互いにしがみつきながら
落下していく。
あと10mほど!
『いまだエルク!』
「はいっ!!」

≪ばさぁっ!≫

彼女の翼が大きく一回はばたくと
次の瞬間彼らは大きな扉の前にいた……
02/04/14 01:46 『修正』

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『「こ…怖かったぁ〜…」』
床に足を着いて一拍置くと、エルクとリゲルはヘナヘナとその場に座り込んだ。
「大丈夫かよ?二人とも怪我してないな?」
リグが上から覗き込むように訪ねる。
『「大丈夫、大丈夫。怖かったけどね。」』
二人はへたり込みながらもまた同時に答えた。
「そうか…じゃあとっとと立てよ」
リグはまだ座り込んでいる二人の腕を掴むとグイッと上に引っ張り上げた。
『「うわぁっ!?」』
ストンと着地をすると、二人はまた同時に
『「あ〜…びっくりしたぁ〜…」』
「……お前らいつまで言葉そろえる気だよ…ほら、行くぞ」
三人の前には、大きな扉が立ちふさがっていた。

02/04/14 12:24 『修正』

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うさぎばやし
『…あの二人、いるかな?』
ボソッと、エルクが呟く。
3人の眼前にそびえ立つその扉は、
赤銅色と鉄色を混ぜたような、不思議な色をしていた。
『さぁな。…とりあえず…
 コイツを開けないことには、何も始まらねーだろ。』
リグが扉とにらみ合いながら言った。
うん…と、リゲルも言う。
『それじゃ、開けるよ。』
エルクとリグに確認し、リゲルはそっと扉を押した…
02/04/14 16:23 『修正』

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「……あれ?」
リゲルの動きが止まる。
「…?どうしたんだよ…?」
二人が覗き込む。
「…開かない…」
リグとエルクは肩を落とす。
『えぇ〜っ?』
「…お前、力が足りないんじゃねぇのか?」
リグが横から手を伸ばし、扉に添える。
「よっ!」
力を加えるが、扉はビクともしなかった。
「………マジかよ…?」
手を離すとリグは後ずさる。
『せっかくここまで来たのにぃ〜…』
エルクはしゃがみ込んでしまった。
「でも、なにか手がかりがあるはずだよ。探してみようよ」
『はぁ〜そうだね…こうしてても始まらないしね。』
エルクは立ち上がると周りになにかないか見渡した。壁に蝋燭が掛かっているぐらいで、手がかりになりそうなものは見当たらなかった。
『はぁ〜、簡単に見つからないなぁ〜』
と、その時、扉を調べていたリグが二人を呼んだ。
「おい!ちょっと来てみろよ!」
何かをみつけたようだ。
02/04/14 20:15 『修正』

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えせばんくる
そこは壁の下のほうに何か文字らしきモノがあった。
だがそれはかなり古い時代のモノで
うまく読む事はできなかった。
「う…ん?なんだろこの文字?」
エルクにはあまり馴染みのある文字じゃないようで
彼女には解らなかったみたいだ。
また、リグも似たような顔つきで
文字を見ている。
『見つけたはいいもののこのまま解らずじまいに
なるのか?』
するとリゲルは信じられない言葉を発した。
『【ヨコオシシキ】』
リグとエルクは瞳を丸くしリゲルに向き直る。
『リゲル。お前、この文字読めんのか!?』
『…なんとなく読めた。』
リゲルは自分でも何故読めたのか解らないらしく
オドオドしている。
「え…、【ヨコオシシキ】って
【横押し式】の事だよねぇ。」
エルクはリゲルのいっていた言葉を解説してみせた。

とりあえず3人は扉を横にずらしてみる。
≪ずりっ≫
扉は前に押したときはいくら力をこめても
ビクともしなかったが
横に押してみるとこれがいとも簡単に、
それこそリゲルでも開けられた。
3人は扉の事も驚いたが中を覗いた瞬間
さらにびびる事になった。

3人が扉を開けて中を覗きこむと…
そこには一室が広がっており少し高級な
雰囲気がかもしだされていた。
だが驚いたのはそんな事ではない。
なんとベルがアルの事を押し倒していたのだった…
02/04/14 21:02 『修正』

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管理人
『………』

 沈黙が空間を支配していた。
 ベルのローブはそのままだが、押し倒されているアルのフードが取れかかっていた。
 鮮血を思わせる紅い髪だった。顔は、よく見えない。
 ベルが軽く舌打ちして、アルを抱き起こす。顔を隠すように。
「お前等、相当無粋な真似をしてるな」
 またしてもとてつまなく不機嫌な様子でベルはそう言うと、風を巻き起こしてアルと共に消えてしまった。
 残った3人は無言で立ち尽くしていた。
02/04/15 16:13 『修正』

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えせばんくる
「Σ=□=;」
『>ゞ<;』
『Σ−|ー;』
いちお注意書きしておこう。
一番上がエルク続いてリゲル、リグという順だ。
『や…やっぱり大人だね。あのふたりは…;』
リゲルが照れながら頭をかく。
「そーだねぇ…」
エルクにいたっては“ポワ〜”っという顔。
リグはというと、
『−|ー;』と、いうような顔で立ち尽していた…

ベルがアルを抱き上げる前。
アルのフードは緩んでいてその下の髪は
鮮血の色をしていた。
だが決して恐ろしいといった印象は受けなかった。
どっちかというと神秘的な感じを受けた。
肌は透き通るほど白く、
むしろ“青白い”と言う言葉の方があっていた。
フードの下からかすかに細いうなじがのぞいており、
ベルから受けたであろう唇の形がうすく残っていた。
もう少しエルクら一行が突入するのが遅かったら
おそらくその先まで進んでいたのだろう。
(この先はまぁあなたがたの想像といったところで…)

「ねぇ。やっぱりぃ〜、アルって女性だよ〜;」
少し照れ隠しとも取れなくはないが、
腕を上下にぶんぶんと振りながら
エルクはリゲルと語り合う。
リゲルもつられながらぶんぶんと手を振りながら
話しこんでいた。
やっぱり“ウブ”なリグは頭を抱え込みながら
重い足取りでひとり、後ろからトボトボと付いて来る。
『*〜=□=』
や…やばいぞ。リグ。
魂が飛びかかっている。(笑)
「…いーっつまでそんな顔してんのよリグ☆」
そこへエルクは思いっきりリグの背中を
はたいた。
≪どごっ!≫
ぼんやりとしていたリグはいきなりバックアタックを
くらい前に突っ伏した。


うさぎばやし
そこでようやく、
飛びかかっていた魂を取り戻した(?)リグは、
床と熱いキッスを交わしそうになるのを
寸前で何とか押しとどめ、
ぎっ、とエルクをにらみつけた。
『そんな顔でにらまれても、迫力ないよ〜?』
あはは、と笑いながらエルク。
リゲルもその隣でくすくす笑っている。
『じゃあ、アルは女の人って事で決定☆』
『決定したら、何かあんのかよ。』
エルクがブン、と腕を振り上げていったその言葉に、
なかなかもっともな事を言うリグ。
しかしエルクは無視しているのか、
はたまたそんなことは聞いていないのか、
――――おそらく後者だと思われるが、
とにかく未だうっすらと赤い顔に
笑みを浮かべながら、ずんずん歩いて行く。
『…あ。』
と、エルクが小さく声を上げた。
また、空間が歪む。
ぼんやりと、虚像のように現れたソレ。
『今度は、なんなんだろう…』
リゲルが≪ソレ≫を見ながら呟いた。
まだはっきりと像が定まっていないのか、
少し揺らめいている…謎の鉱石。
鉱石と言っても、かなり巨大で…
『…お城みたい。』
エルクがほう、と溜め息をつく。
そう、ソレはさながら…
クリスタルの城、とでも言うべきか。
おそらく陽の光が射し込めば、
失明するほどの乱反射をするであろう。
しかもご丁寧に3人が進むべき道まで現れ、
その先にぽっかり入り口が口を開けていた。
『なんか今更何が起きても不思議じゃねぇな、
 この空間。』
半ば呆れたように、リグはその道を目で追う。
少しリゲルが考え込み、やがて口を開いた。
『他に行くとこもないし。
 とりあえず…行ってみる?あの≪城≫。』
02/04/15 20:38 『修正』

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えせばんくる
(修正:1) 3人が足を踏み入れたとたん
≪城≫らしき物体入口の外側から
クリスタルが複数の槍の様に空目掛けてはえた。
それによって3人は出口を失う。
『はっ。進めって事だな。
おもしれー、やってやろうじゃねーか』
リグは自分のギアをまわしはじめたようだ。
リゲル達ももちろんそのつもりらしい。
『だね。出口もないし、ここにいても
しかたないしね〜』
「そーだよ。まぁいざとなったら
3人であの入口だったっぽいクリスタルの
槍をぶち壊して出ればいい!」
『っつーかんなこたー無理にきまってんだろ;』
「わかってるもん!ただ景気づけに言ってみただけ
じゃないよ〜…」
エルクの破天候な考えにリグがつっこみをいれた。

3人がはじめに立っていた場所。
そこにはなにもないが、
壁一面が建物の物質と同じようにできているらしく
自分の姿がたくさん映る。
だが外の景色や隣の空間(部屋)といったものは
見えないようになっているらしく、映らない。
『ミラーハウス、の要領かな?』
『みらーはうす?』
リグがなんじゃそりゃといわんばかりの顔で
リゲルを見ている。
『んとね、ミラーハウスっていうのは簡単に
“鏡屋敷”ってこと。つまり部屋一面が鏡で
できてんだ。だから気を付けないとね、
ぶつかっちゃうよ♪』
≪ごっ!!≫
「あぃたっ…っつ!!」
そういうことは早く言いましょう。
とりあえず進んでみたエルク君は哀れ。
激突することになってしまいました。(苦笑)

鏡屋敷に慣れているリゲルを先頭に
でこを赤くしたエルクとリグが続く。
するとひとつの空間(部屋)にさしかかった。
ロックは掛かっておらず簡単に開いた。
(ちなみにココは横押し式ではございません。笑)
『あ!!見てみて!』
一足さきに中に入ったリゲルが2人を呼ぶ。







02/04/15 23:07 『修正』

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『なになに?』
「どうした?」
二人が一緒に入ってくる。そこは、一面クリスタルでできている八角形の部屋だった。リゲル、リグ、エルクの三人の姿を、無数に映し出す。
『けっこう広いね〜』
エルクは楽しそうな声を出しながら、クリスタルに映った自分の姿を見ている。
「ホントなんか不思議なかんじだね」
リゲルもまた、無限に近い数の自分を眺めている。
「おい二人とも、あんまりはしゃいでまたぶつかるなよ」
リグは二人に注意しながら、近くの壁に寄り掛かった。

  ≪サワッ≫
  
   「?」
首筋になにか触った気がして、リグは振り向く。そこには、映るはずのないリゲルの姿。クリスタルの中から手が伸びてくる。
「…っ!?」
避ける暇もなく首を捕らえられてしまった
「…くっ…!」
『えっ!?リグ!?』
エルクたちも異変に気が付いたようだった。リグの所に駆け寄ってくる。
だが、次の瞬間、リゲルたちの後ろから出てきたリグの姿をした者が、二人に斬りかかってきた。手にはクリスタルで出来た剣を持っている。
「うわぁっ!!」

02/04/16 03:25 『修正』

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えせばんくる
「リゲル!!」
エルクはとっさにリゲルをかばい
自らクリスタルの刃を受ける。
「くっ…!!」
それは背中に深い傷をつけた。
『エルク!!』
リゲルは崩れかかるエルクを支えながら
部屋の中央へと避難した。
『――――っ』
『リグ!!』
リゲルの前で苦しむ姿がふたり。
リゲルはどうしたらいいのか、
だれから助けたらいいのか解らなくなってきた。
(『どうしよう!どうしよう…』)
あたふたとしていると横にいた彼女が
リゲルに、背中の痛みを耐えながら
重い口を開き言った。
「なにしてんの…?!速くリグを…
助けなさいよ!」
その言葉でリゲルはハッと我に返る。
「キミの“仲間”でしょ?僕はまだ大丈夫だから…
速くリグを助けて…!」

02/04/16 23:35 『修正』

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うさぎばやし
(修正:1) エルクとリゲルの視線が、宙で交わる。

“大丈夫だよ、だから”

“早く”


『……っ…
…―――うん。』
こくん、と小さく頷くリゲル。
その場にエルクを残し、
首を締め上げられているリグの元へと急ぐ。
その様子を視界の端で捉えながら、
エルクはふ、と微笑んだ。
(『…大丈夫。か…』)
ぐっと膝を立てる。
彼女の背中から、
真っ赤な血がぼたぼたと流れ落ちた。
(『…この体で』)
どこまで通用するかわからないけれど。
どれくらいの魔法が発動できるか…
(『わかんないけど。でも』)
スピアロッドを握り締める。
それにつけられた金と銀の鈴が、小さく鳴った。
前方には敵。
背後には仲間。
(『今戦えるのは、僕しかいない!』)
僕が、やるしかない。
エルクはスピアロッドをざっと振った。
『…行くよ!!』
02/04/17 20:24 『修正』

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*** この記事は削除されています
02/04/17 23:40

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えせばんくる
エルクは深く、そしてゆっくりと
深呼吸をするとロッドを高く持ち上げた。
背中からぼとぼととしたたり落ちる
血の痛みに耐える為に唇をキュッとかみしめた。
奴<リグ>をにらみつけると同時に
呪文を発動させる。
「サンダー!!」
雷の刃は彼に覆いかぶさったが
次の瞬間一瞬にして消え去った。
「!?」
奴はピクりとも動いちゃいない。
すると今度は彼が
自分の手にしていた刃をエルクの左わきの
あたりにたたきこむ。
「…くっ!」
彼女は急いで後方に飛び退くと
今まで彼女のいた位置を刃が通る。
「あぅうっ!」
僕は後に飛び退いた時の
衝撃の苦痛で足がもつれ後に倒れこんだ。
背中からは容赦なく血が流れ出す。
このままでは、どれくらいの
体力があるのか解らない相手を
倒すことなんてできない。
しかたない…!

すると彼女、
「アイス!」
自分に氷系統の魔法をかける。
その氷は彼女の背中の傷を一瞬で凍らせた。
「―――!」
一瞬の痛みに耐えるとすぐさま
スピアロッドを構え直し<リグ>に向かって
突進した!!

「やあぁあああ―――――っ!!!!」
02/04/17 23:27 『修正』

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「リグッ!!」
リゲルはリグのもとへ走っていった。リグを締め上げている自分の幻影めがけて飛びつく。
「リグを離してっ!!」
腕にしがみついたまま思い切り引っ張るが、相手はビクともしない。
ただ無表情で、苦しんでいるリグを眺めているだけだった。
だんだんリグの腕から力が抜けてゆくのがわかる。
「やめてッ!!離してよッ!!」
このままだとリグが死んでしまう。
エルクも死んでしまう。
絶対に嫌だ。
何度腕を引っ張っても相手は動かない
リグの顔色はどんどん悪くなってゆく
「やだよッ…!やめてよッ!!!」
気が付くと叫んでいた。
目の前で大切な人を殺めようとしている自分の幻影を止めることができない。
目の前にいるのに
助けることができない。



----------また同じだ-----------




   頭の中が真っ白になる。






気が付くとそこに幻影の姿は無く
目の前には
うつ伏せに倒れたリグと
レンズの割れた自分の眼鏡。
クリスタルの壁にはもう誰も映らず
幻影は掻き消えてしまったようだった
…リゲルは、自分が何をしたのかわからないまま。呆然とそこに立ち尽くしていた。
02/04/17 23:41 『修正』

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うさぎばやし






………
五月蝿いのう。
ひとのこころが、五月蝿く喚いておるわ。
思念の渦は、いつの時代も消え失せはしないもの。
だからといって、
我の眠りを妨げる理由がどこにあるのだ。

…まぁ良いわ。
おかげで目が覚めた。
所詮あやつの封印などこの程度のもの。
あやつがどこまで逃げようと、
我が必ずや見つけ出してみせようぞ。



…ふたつ。
二つの大きな魔力。
…みっつ。
三つの輝かしい力。

何処から来やったのかは知らぬが、
なんにせよあやつの領域に踏み込めるほどの者か。
特に二つの力は。


…力が、来る。
三つの輝かしい、しかし混沌の影を持つ。

力が来る。




蒼いクリスタルの中で、
黒い髪の少女…
―――否、少年だろうか―――が、微笑った。