[59] エヌジアズ6
01/20(Mon) 21:26:32 闇空鴉擁躬

「そう、何てったってボクだからね!
 普通の物から変なものまで何だって…まぁ大体の物だけどさ。
 まぁとにかく色々あるよ!
 万能薬に薬草に、箒にタライ、あ、ヤカンもあるよ。
 これなんかどう?
 使うと玉が撃った人に向かう魔法銃!」
 そう言って出されるモノに、リズを抜かした人々は呆気にとられた。
 一体そのカバンのどこにどう収まっていたのか解らない商品達、用途不明のその品々。
「…おもしろいでしょ?」
 にこにこにこ。
 確かに面白いかもしれないが、どう反応していいのかわからない。
『……なんなんだよ、それ』
「商品」
 覗きこんできたハルに、即答する。間違った答えではないが、正しくもない。
「あ、これ面白いよ」
 その言葉に反応したのは、紫闇。
 そして出されたのは小さなゼンマイ式の玩具。
 猫の頭に、身体はてんとう虫(?)。尻尾は竜を思わせる。
『…………』
 ハル、すでに無言。
『…どう言う玩具なんだ?』
 そう言った紫闇は、興味津々と言った体で玩具をつつく。
 彼女の様子を見たリズは、満足げに螺子を回してみせた。
 と。
『『…………っ!』』
 それを見た瞬間、ハルとメルシーは凍りついた。
 その玩具は、ずばり“わしゃわしゃわしゃ”と動き出したのである。
『…これまたおもろいモンやなぁ……』
 半ば呆れた様子で眺めるユネも、どこか遠い目をしていた。



[60] Re:エヌジアズ6
「・・ってことで対談ッ」
ハルはひょっこりと盛り上がった岩の上に乗っかり、一同を見返したかと思うとそう胸を張って云った。
『・・はぁ』
皆は一時的に背の高くなったハルを見上げ、力なく答える。どうにも先に進まないこの蟠りメンバーの行く末を練る為の緊急会議である。勿論、云い出したのはハル。リズの出した自称商品を仕舞い仕舞い、一斉に踏み出したのだ。兎も角、この状況をなんとかせねばなるまい。なんていったって
「これから、俺様が勇者だ!」
『はぁッ!?』
一同の息が微妙に合う。表情までそれそのものだ。
『なぁにいってんだ?』
代表したかのように紫闇から一言が発せられた。
「何もくそもねぇよ、俺がボスでリーダーで長ッ!つまりこのパーティの勇者は俺だッ」
『んなこと聞いてんじゃねぇよ、その勇者ってのはなんだよ。てか、パーティってなんだよ?』
「勿論、俺様達はこれから冒険の旅に出るわけだ。つまりは振り分けが必要だろ?」
ふ、振り分け・・?
紫闇はそろそろ自分の口元が歪んでいくのが解った。否、今までよりと補足しておこう。
「だから、リーダーである俺様は勇者様だ!ちなみにお前は魔法使い、技術屋、商人な」
右から順にユネ、メルシー、リズ。満足げにそう指を指して行くと次は・・・私だ。なんとなく鼓動が高くなる。指が完全に此方を向くと思わず唾を飲み込んだ。
「え〜と、格闘家。以上ッ対談終り!」
『ちょっと待たんかいッ』
何が以上だッ!!
紫闇は声を荒上げるとそれは調度ユネのそれと重なった。
『おい、兄ィちゃん。そら拙いやろ』
なんとなく緊迫した雰囲気に紫闇はこの場を引いた。そのそも今までの段階で自分以外、誰も問いに踏みきっていなかった所から誰もかも何も不審を抱かなかったのかと思ったが、やはりそれは有り得なかった。そう、有り・br>


01/21(Tue) 16:34:20 メケ太
[61] Re:エヌジアズ6
えない。こんな滅茶苦茶な話しがあるか。誰がかくと・・いやいや、そもそもこんな飯事、子供じゃ・・
『俺も勇者に挙手ッ!!』
「はぁッ!?」
子供か、あんたッ!
「な、なに云ってんだよッ途中でパーティに入ってくる勇者なんかいるかよッ」
ハルも同じく動揺の色を見せる。しかしなんと緊迫感のない動揺だろうか?昔のアニメを見ているような衝撃だ。
『阿保、世の中には例外っちゅうもんがあるんじゃッそれに俺は年上やぞ、貫禄は俺のが1番あるやろが』
なんという乱暴な先輩だろうか。
無意味な横暴さを振り回していらっしゃる。
「勇者は年じゃねぇッ器だ!!」
なるほど。
それでもこの馬鹿がもっともな事を云うのに感嘆とした。一瞬。飽く迄も一瞬。しかしこれは自分がこの状況下において馴れが請じているということなのだろうか?
『ちょっと待ってよッ』
しかしまだ絶望の淵に立つのは早かったらしい。これに終止符が打てる奴はまだ居る。当然、勿論、無論・・。紫闇は視線を上げる。その先にはメルシー。いやいやいや、違うッ!!紫闇はその視線を無理矢理に引き離して真のその方の姿を捕える。リズだ。逆光のせいかそれがもはや後光にも見える勢いだ。
『君達ねぇ、いい加減にしなよ?そもそもの問題を考える脳味噌持ってんの?』
そうです。どうかこの気持ち、代償してあの馬鹿共に天誅をお下しください。
『商人って僕、変わってないじゃんかッ!』
・・どうか、神様。
紫闇はこの目に涙が滲んで行くのが解った。
だれでも良い。救って下さい。



01/21(Tue) 17:03:07 メケ太
[62] Re:エヌジアズ6
しかし、世の中は無情で非情だ。手を差し伸べたからと言ってそこから天の糸が垂れ下がってくるわけでもない。ただ空を掻くだけだ。まったく、何時だって・・

アンタは傍観者だよ。

紫闇は胸を抱える。
この傷も、この運命も・・
と、いうかこの阿保らしい状況において今までの自分の人生そのものの運命と照らし合わされてしまうところが悲しいのだが。いや・・もしかしたら今こそが
『・・てめぇら』
人生最大の
『いい加減に・・』
戦場なのかも知れない。
『いい加減にしやがれぇえええッ!!』

ゴウゥウウンッ!!

一喝すると共に紫闇が大きな一歩を地に打つ。するとそこには莫大な気を受けたクレータが出来た。地が盛り上がり、礫が飛び、辺りの雑草類が絶える。大きな音が波動となって勇者、魔法使い、商人、技術屋を襲った。砂煙が立つ。その向こうには黒い影、おぞましいほどの念を身に纏い佇む。一同はその姿に息を飲む。
――【魔王“紫闇”が現れた】
そして魔王は怒涛に顔を歪ませ
『私がこのパーティの勇者だッ!!』
と、吼えた。こうして、突如現れたラスボスがパーティに加わり、誰も何も云えぬまま勇者が決まった。

――【魔王“紫闇”は勇者になった】



01/21(Tue) 17:27:13 メケ太
[63] Re:エヌジアズ6
 元から多少血の気が多い(っぽい)紫闇が怒る事はそう珍しい事では無かったのだが、やはりその力を見せつけられては太刀打ちする気にもならなくなる。よって紫闇は周囲の有無、自分の意思関係無しに『勇者』となってしまったわけだ。
「ふぅ。先に早く進もう。でないと日が暮れる」
 そういいながら紫闇は天を仰ぐ。
『でもさ。まだ真昼間なんですけど?』
「…ぁ。」
 リズにツッコミを入れられ途端に紫闇は赤面した。まだまだ日が暮れるには早すぎる時間帯。これから昼食をとろうかという時間なのにもかかわらず云ってしまったこの言葉。紫闇は自分の思わず洩らした言葉に後悔した。
『まぁ人間そないな事しょっちゅーあるさかい。
気にする事あらへんよ』
「…。」
―――マジでしょっちゅうあるから困ってんだよ。
 ユネの励ましを背に受けながら紫闇は肩を震わせていた。もちろん恥かしさからである。時々やってしまうのだ。単純な間違い勘違い、を。これは自分の長所になるのか短所になるのか…。兎に角今は早くこの状況が変わって欲しいと願う紫闇だった。


「ところで…」
 そう言葉を受けた相手はリズで、言葉を受けた直後よい反射能力と言わんばかりに即座にくるりとこちらを向く。
『なんだい?』
 首をちょっと右に傾けながらにっこりと笑う。紫闇もニッと笑い自分の云いたかった内容を口にする。
「さっきのゼンマイ式の玩具、あれっていくら位すんだ?」
 その言葉にリズを覗いた3名は絶句した。あの奇妙にわしゃわしゃと動く物体の値を知りたいというのだから、もしかしなくとも―――。
「あの種類で何か他にもあるのか?人形とかなんとか…。」
『ぁあ。一匹だけ前に仕入れたね。いるけど?』
「よし買った」
『『なにぃっ!?』』
 3人の男性陣の心境は『マジですか』『やっぱり買・br>


01/21(Tue) 20:09:27 えせばんくる
[64] Re:エヌジアズ6
うんかいな』『…。(唖然)』といった具合だった。紫闇が買うのではないかという予想は容易に出来た。現に先程リズにあの奇妙な物体を見せられた時、彼女の目の色はたしかに興味の色で染まっていたのだから。だがこう改めて口にされてみるとやはり驚かずにはいられなかった。
『お、まえどうしてそんな
“わしゃわしゃ”“かしゃかしゃ”動く生物(の人形)
欲しいなんて思えるんだ?』
 ハルは眉間にしわを寄せながら勘定を支払っている紫闇に問いかけた。リズはちゃっかメティシア産の小型機(世に言う電卓)をだして『まいどありぃ』などとほざいているのがハルにとってうっとうしかったが。次の言葉を聞いた瞬間ハルは愕然とする結果になった。
「ぇ…?可愛いではないか」
 …いや。結果的にはハルだけではなかった。その紫闇の一言にその場にいたリズ以外の者は白くならざる得なかった。



01/21(Tue) 20:11:28 えせばんくる
[65] Re:エヌジアズ6
 ねぇ、どうしようか。
 ここはとても暖かいよ。


 皆が歩く最後尾、リズは1人ぼんやりと空を眺めながら歩いてイタ。
「…遠い、昔……創世神がまだ、世界の見える場所にいたころ…」
 それは、聖書のとある段落の冒頭。
 創世神が創物神をつくった、その少し後の物語だ。


 ねぇ、ボクはキミ達を知っているんだ。
 でもキミ達はボクを知らないんだ。
 優しい優しいキミ達に、ボクは小さく嘘をつくのだ。
 きっと。
 この先の、いつか。

 そう言う時がくるんだ……。



01/25(Sat) 16:35:50 闇空鴉擁躬
[66] Re:エヌジアズ6


『…木が』
 ふと、紫闇が辺りを見回す。
 道が消え、代わりに樹木が大地につき立てられてゆく。
 背の高い木と低い木が、何ともいえない曲線を描きながら交わり、
 天へと伸びるその様は、自然の力そのものを表すかのようで。
『…マイヤやね。』
 ユネがぼそりと呟くと同時に、鳥が、まるでそれを狙っていたかのようにギャアギャアとけたたましく叫んだ。
 マイヤ。リザイア大陸全土を―――とまではいかなくとも、ほとんどの土地を占めているであろう森の総称だ。
 魔族が多く住む…森。

 うっすらと、太陽の光が射し込む。地面の苔がきらきらと光るのは、
 太陽が頂点を過ぎても未だ朝露が拭われていないからないことを指す。
 じんわりと湿った空気が、一同の肌にまとわりつく。
 濃い緑。
『…不思議なところだな。』
 紫闇が誰とも無くそう言った。
 この場所独特の雰囲気が、彼女にそうさせる。
 メルシーも同意を示し、物珍しげに辺りを見回した。
『暗いですね…』
 まぁね、とリズが小さく微笑む。
『神話にもあるじゃない?
 “一方リザイアが創ったのは、薄暗い、森が鬱蒼と生い茂った土地”…って。』
『神話のまんま、場所が残っとるちうのもおもろいモンやね〜』
 ユネはそう言ったが、基本的な部分ではきっとどの島・大陸も変わってはいない――
 アデューク大陸は暖かく光の土地。リザイア大陸は薄暗い、森の土地。

 ハルはそんな皆の会話を聞きながら、ぼんやりと思う。
@ここが魔族の土地。
 勿論“魔族はここに住まなければならない”などということではないが、
 しかし魔族の全人口(?)の大半をこのリザイアが占めるのも事実。
 少し、不思議な感じがした。



01/26(Sun) 11:38:25 うさぎばやし
[67] Re:エヌジアズ6
「そりゃぁね、リザイア神はアデューク神が作らなかったものつくったんだもん。足りない物を補った、て言うのかな」
 にひひ、と得意げに笑いながらリズは言う。
 子供のくせに色々な事を知っている、奇妙な存在。
『お前ガキのくせによう知っとんなー』
 感心した声をユネがあげれば、“奇妙な子供”は人さし指を口元にあててちっち、として見せた。
「ボクをただのガキと思っちゃいけないよー、おにぃさん?
 教会仕込みの薬草の知識はぴか一だよ! そこらの学者なんかよりよっぽど博識なんだからね!」
『…なんで教会と自分の自慢話してんだよ……』
 すでに呆れた様子のハル。残り二人――紫闇とメルシー――はすっかり傍観を決め込んで、興味津々でその様を眺めるばかりだ。
「いいじゃないか。ボクのこの名前だって教会からもらったんだから」
 すんごい安直でありきたりの名前だけどさ。
 そう言ったリズは、とてつもなく偉そうだった…。



01/26(Sun) 12:11:58 闇空鴉擁躬
[68] Re:エヌジアズ6
森を少しあるた所で中心街はすぐに見えてきた。森を歩いていたといっても人間用の、つまりは手の入れられた道を歩いてきたのでそんなに遠さを感じない。宿からはすぐであった。街は門もない、当然、番もいやしない開けっぴろげな面積であり、家や店がならんで街だと云う、古風な風景だった。魔物が生息する森の中にいるというのにそれは妙な開放感を感じるが、お互いの長くからの信頼がそうさせているのだろう。飽く迄も自分たちは自分たち、とテリトリーの張ったその姿勢は今、安泰の色を見せていた。

『さぁ〜て、どないすんねや?』
『まず、宿の予約。物資のちょうた・・つはリズがいるからいいとして、情報収集とかだな』
紫闇が手際よくユネの問いに答える。頭の回転はやはり良いらしい。しかし、回転がどうのこうのという理由でなく、根本から違うやつがただ一人。
「ちょっと、待てよッ!」
『なんだよ』
またかよ。そんな顔して一応顔を向ける紫闇・・とプラスα全員。一斉に呆れた視線がハルを襲った。
「情報収集なんて必要ねぇだろが」
しかし、それにひるむことなく何故か胸を張る。人の神経の図太さはこんな所にさえ、垣間見る事ができるのだから不思議なものだ。
ホントに不思議。
『お前の頭の作り、一度見てみてぇよ』
紫闇は意味ありげに指を軽快な音で鳴らした。
『じゃぁ、お前その不老不死がなんだかを詳しく、事細かに、且つ鮮明に解ってんだろうな?』
「いや、そこまでは・・」
紫闇の出す攻め入るような空気は、容赦なくハルを攻めた。なんとなく縮こまるハルの姿がどことなく惨めだ。



01/26(Sun) 16:50:39 メケ太
[69] Re:エヌジアズ6
『ほ〜ら、そうだろが。だから情報を仕入れるっつったんだよッ解ったかハル坊!』
そう云ってコン、とハルの額を小突いた。
「あ、あのなぁッ」
しかしここで終わらないハル。たてつこうと一気に牙をむくが・・
『うるせぇッ!!』
それは未然で終わった。
『なぁ、メル』
『あ、はい・・』
『なんや、ハルがかわいそうに思ってくんのは俺だけやろうか・・なぁ?』
『・・・』

と、云うわけで紫闇の提案により、リズは宿屋の確保、残りは情報収集などに取り掛かる事にした。集合は入ってきた入り口の前、大体の所である。
『あの、ハル・・?』
「あぁ?」
『不老不死の噂ってホントにあるの?』
メルシーは不安げにそう問う。それもそのはず、メルシーは船のエンジニアという肩書きの末、船を下りることを拒んでいた身なのだ。噂どころか人と娑婆に話すことも少なかったはずなのである。
「なんだよテメー。俺様を疑ってんのか?」
『いや、そういうわけじゃ・・』
『ちゅうか、んな確信ないと聞きにくいんとちゃう?』
ユネが二人を分け入るようにして横槍を入れる。
「なんでだよ?」
『んな、不老不死やぞ。そらぁなあ酔狂としか思えんわ』
「だ〜から、これは」
『ok、ok、わかっとるって。んなお前はんはあると思ってんやろ。それに否定してへんよ』
「“お前はんは”ってとこムカつく」
『気にせんといて。方言のせいやて』



01/26(Sun) 17:08:45 メケ太
[70] Re:エヌジアズ6
『でも、どうやって・・』
『そこやそこッ!』
ユネは体をひねるようにしてメルシーに向き直る。なかなかこうしてみると立ち振る舞いが大きなヤツだった。
「んなもんそのまま聞けばいいじゃねぇか」
『ちょい待ちィ。もっと慎重に動かんと変なやつと思われんやろがッ』
「変なヤツってなんだよ」
『兎も角、ここは自然にいこうや兄ィちゃん』
『自然にって?』
『まずは・・』
ユネは視線を街の景色に向けて、それがとある女性に止まると、まぁ見とき、と云って走りよっていった。ここからはお手並み拝見ということらしい。



01/26(Sun) 17:16:16 メケ太
[71] Re:エヌジアズ6
リズをぬいた三人は、そこからユネの行動を拝見する事にした。
『自然に、って言ってたけど結局はどうやって聞くんだ?』
「・・ユネさん自信あるみたいですよね」
『ま、見てれば解るだろう』
三人はユネが女の人と話し始めたのを見てそう言った。
『おねーさん、ちょっといい?』
『エッ・・ええ』
当のユネは女の人に話しかけた。女の人はちょっと驚いてる様だった、それはちょっと離れたところからでも解る
『なあ、ユネが何つってるか聞こえないんだけど』
『私もだ。近寄ってみようか』
ユネと女の人が話始めて少し経ち始めたのでいい加減ユネのところまでよっていった。すると・・
『じゃ、また今度な』
『ええ』
ちょうど話は終わったようだった。
『で?どうだったんだ?』
紫闇は戻ってくるユネに尋ねる
『ああ、何?っと・・聞き忘れたわ』
あっさり返す言葉に紫闇は右ストレートを喰らわした
『イタァ!何すんねん。まだ聞いてないだけで、後でちゃんときくんよ?』
「・・あの、後でって?」
『今度またどっかで会うから、そのときにな』
『あんたは今日、休みたくないのか?』
『そりゃ、休みたいけどな。話しかけてすぐ聞ける事と聞けない事があると思うんやけど?』
紫闇はそれには同意だったようだが、ユネのその途方もない気の長い作業には同意できかねない様だった。そこで我慢を切らしたハルが
『だーー!!聞きゃあいいじゃん。普通にさあ』
ズンズン進むハルを誰かが引き止める
『なんだよ、メルシー?』
引き止めた相手が相手なだけにちょっと立ち止まってやる
「紫闇さんが・・」
すごい形相で睨んでいる。



02/08(Sat) 21:51:59 摩緒