「世界があと10分で滅びるとしたら、お前はその最後の10分をどう過ごしたい?」
「……最後まで、お前と居られればいいな。そうだな、お前と抱き合ってそのまま死ねるんだったらそれがいい」
「……同感だ」
「だろ?」
「……今から10分後に世界が滅びるかも知れない」
「ルキア?」
「お前に抱かれたまま死ぬのも、悪くない」
「……今から10分後に世界が滅びるかも?」
「ああ……だから、恋次」
「そうだな……時間は有効に使わなくちゃな」
恋次の首に回るルキアの白い腕。
恋次を抱え寄せ唇を重ねる。
くすくす笑う声、互いの服を脱がす衣連れの音。
『もし世界があと10分で滅びてしまったら?』
そんな言葉で誘惑する。
『お前の腕に抱かれたままで死ねるのならば、きっと天国にいけるに違いない』
じゃれあうようにふたりはシーツの海に倒れこむ。
世界の最期まで、あと、10分。
「……まさか、時間が余るとはな」
「…………」
「5分足らずか……」
「……すみません……」
ホントすみません。