「私はお前が好きだよ―――ずっと昔から、お前だけが好きだった」
そう最後に呟いて、ルキアの意識は途切れた。
ルキアの乱れた服を整えて、その間も恋次の胸元を掴んで離れる事が無かった手を取った。そこに残る赤い痣―――男達に掴まれた時に出来たのだろう、その手形を見て恋次の目が険しくなる。
再び怒りに血が上りそうになるのを、手首の痣から視線を逸らして気を落ち着かせた。
優しくルキアの白い頬にまとい付いた黒髪に触れる。
「ん……」
意識の無いまま、先程とは違う、あどけない溜息をルキアはこぼした。
恋次はそっとその小さな身体を抱きしめる。
苦しげなルキアを見ていられなくて、意識を失わせた。
望まない快感と、いつまでも続く身体の熱は、拷問にも等しいだろう。
―――とにかく、病院に連れて行かなければ。
壊れ物を扱うように、慎重に恋次はルキアを抱きかかえる。周りの呻く男達の事など既に眼中にない。本当は殺してやっても良かったのだ。もしルキアの身に取り返しのつかないことが起きていたら―――恋次は間違いなく、この場に居た全員を殺していただろう。
扉を開け、外へと出る。
そこに、最後に目にしたままの姿勢の流佳が居た。
扉が開いて、恋次がルキアを抱いて出てきたのを目にして、流佳は言葉もなかった。
愛しそうにルキアを抱く恋次の姿に。
「恋次―――」
震える声で恋次を呼ぶ。
決して自分を見ないだろう、という予想に反して―――恋次は真直ぐに流佳を見た。
「―――!!」
その目は。
怒りも憎しみも何も無い。
何の感情もない。
そう、道端の石を見るような―――何の意識も無い。何の感情もない。
路傍の石を見て感情を持つものなどいないだろう、それは目に映っていても映っていないと同じ事。
まるで、そこには何もないとでも言うような。
お前には怒りや憎しみさえ感じるのに値しない、と。
そう思うことさえ、お前を考える事さえ赦し難い、と。
恋次はそう―――告げていた。
それは流佳への、一番効果的な報復。
流佳の存在を、欠片も許さないという意思表示。
言葉もなく青ざめる流佳には意識も向けず、恋次はルキアを抱きしめて歩く。
その歩みが止まった。
「真逆こんな場所に、こんな者の腕の中にいようとは―――」
突然現れた老人からルキアを庇うように、恋次は半身をずらした。
老人の背後に、二人。
腰に斬魄刀を帯刀している。
ここからでも、かなりの使い手だとわかる。
「―――誰だ、手前ぇら」
慎重に距離をとりながら、恋次は順に視線を送る。
「―――ルキア様を返して頂こう。ルキア様はお前が触れていいお方では、ない」
感情の読み取れない無表情な声で、目の前の老人は恋次にそう告げた。
NEXT―――「心から君を愛す」
お待たせいたしました、奥様劇場第8話、「裸心」ですー!
もう今回は宣言した日より大分遅くなってのアップになってしまいました、申し訳ございません。
その分、普段より長いんですけどー、……それで許してください……
予定では4ページでしたが、7ページになりました。。
1ページ毎に長さは違うので、実際にページ数はあまり関係ないのですが。
さて、拍手コメントで「ハードな話の後のゆるゆるコメントがたまらない」というお言葉を頂きましたので(笑)ゆるゆる後書きさせていただきますー。(笑)うん、すごくこのコメント嬉しかったの私(笑)
さて、「裸心」読んでいただいてにやりとした方いらっしゃるかもしれませんが(少なくともユメさんはする筈だ/笑)「お姫様と下僕」にも書いたシーンなのですが、最近の私のマイブームは指です(笑)
指をね、口に入れるのは……とてもえっちだと思うのです。大興奮です(笑)これはユメさんとも意見が一致ー(笑)
同士求む。
指プレイ。
…なんじゃそりゃ(笑)
前回あんな終わり方で「ルキアはどうなる!?」というご感想を頂きました。もーちーろーんー、恋次以外の野郎にルキアの初体験をさせるわけないじゃないですかー!私は「恋次ルキアの幸せ推進委員会」会員ナンバー44(微妙)ですよ?(勿論そんな会はありません)←あったらどうしよう
恋次、最初の段階では戌吊の不良共、皆殺しでした(笑)いや笑い事じゃありません。
やっぱり一般人を殺しちゃまずいって思いまして。斬魄刀も普段は持ってないだろうし。素手で殺しちゃうのもなんかこう、あんまりかっこよくないしねえ……なので半殺し…いや4分の3殺し…いや10分の9殺し…って限りなく殺してるじゃないか!
映写機で撮ってたカメラマン・名無しのM男は恋次に両手の指を勃起り……ひいいい!なんて変換しやがるこのパソコン!!まあ面白いからこのままでいいや(笑)……ボッキリ折られちゃって痛そうです。今後彼は細かい作業できなくなっちゃうんですね。くわばらくわばら。
流佳は女だから殴られはしませんでしたが、目の前でいちゃいちゃされたらあのプライド高い流佳のこと、物凄い敗北感でしょう。この後十三番隊の中で「恋次に振られた」と噂が流れるでしょうし。ご愁傷様です。…嫌いじゃないんですけどね、流佳。
当身って食らった事ないんですが(当たり前だ)あれって上手い人がやると本当に痛くないんですかね?よく聞きますが。
恋次は当身上手です。
恋次の秘密能力その11。(だから嘘です)
それでは、お待ちくださった方、「続きをはやく!」と言ってくださった方、ありがとうございました!
楽しんでいただけたら幸いですv
では、次回「心から君を愛す」でお会いいたしましょうー!
いよいよ、例のシーンです(笑)
らぶらぶ一直線!!!(笑)
2005.4.23 司城 さくら