通されたルキアの部屋はかなり広いものだった。
 初めて来る部屋。綺麗に整えられた室内とうさぎのぬいぐるみが少女らしさをかもしだしている。
 ルキアは恋次の隣で資料をひろげていた。虚と鬼道について質問しにきた恋次に、丁寧に説明をしている。
 その整った顔を見ながら恋次が考えていたのは、今日こそは一歩二人の関係を進ませる事。
 出会ってからすでに25年、好きになって23年。その間、二人の間には何もない。今ではルキアは朽木家の養子として暮らす身、なかなか気軽に会うことは出来なかった。
 つまり、機会は減ったということ。

 隣で本を読むルキアの両肩を恋次は掴んだ。
「ん?」
「ルキア、俺は、俺は…」
「なんだ?」
 両肩を掴んで覗きこんでも、ルキアは大きな瞳を開けたままじっと恋次を見上げる。
 恋次が今何をしようとしているか解らないのだろう、それでも。
 募る想いは押さえきれない。
 掴んだ肩を引き寄せる。
 小さく開いた唇に近付く。
 と。
 かたり、と音がした。
 そこには、盆にお茶セットを載せた、朽木家当主の姿。
「あ、兄さま」
「…よく来たな、小僧」


あなたも私もポッキー。あなたも私もポッキー。







これを書いていたときに流れていたポッキーのCM。
私は、ルキアが朽木姓を名乗るようになってからは恋次とルキアが会う事はなかったという前提で話を書いているのですが、これはまあお遊びだったので。
以前日記に書いたものを引っ張り出しました(笑)