「……恋次の莫迦」
 呟いて―――熱さに耐えかね、ルキアはそろりとその場所に手を伸ばした。
 灯りを落とした部屋の寝台の上で、自分が何をしようとしているか気付いてルキアの手は動きを止めた。けれどそれも数秒―――吸い寄せられるように、ルキアの手はその場所へと下りていく。
 恐る恐る、触れた。
 途端に身体を突き抜けた、電流にも似た感覚に思わず声を上げる。
 躊躇いや戸惑い、恐れは一瞬で消えた。それ程の衝撃―――望んでいた悦楽に飲み込まれ、ルキアの指は躊躇いなく自分の中へと沈んで行く。
「……はっ、ぁ……!」
 くちゅ、と湿った音が静かな部屋に響き渡る。それは一度で消える音ではなく、何度も連なる音―――漣のように、繰り返し、繰り返し。
 ルキアは自分の指で、淫らな音楽を奏で始める。
 初めはゆっくりと―――やがて激しい曲へと変わっていく。指に纏わり付く粘着質の液体を、厭うことなくルキアは溢れさせる。
 恋次が触れた胸。
 恋次はどのように自分の胸に触れたか―――目を閉じてルキアは思い出す。瞼に浮かぶのは恋次の顔。自分を見下ろす、精悍な。
 大きな手が、優しくルキアの胸に触れる。
 壊れ物に触れるように、そっと、静かにやわらかく―――その動きが、徐々に速さを増して行く。恋次の手の中でルキアの白い胸は形を変え、桜桃の実のように赤く息衝いたそれが、触れて欲しいと震えている。
 恋次の指が、その桜桃を軽く摘む。
 胸を揉みしだき、時折屹立する頂に刺激を与え、恋次はルキアの理性を奪っていく……。
「れ……ん、じ……っ」
 思い浮かべた恋次の動きに合わせ、ルキアの手は自分の胸に触れる。






今回書きたかったのは自慰行為…(笑)
実は初めて書いたのでした。
まだ書いてなかったのが自分で意外…(笑)