Aspects of Love (恋は劇薬)



 通りを小走りに急ぐルキアを見つけた時、俺が咄嗟に隠れたのはルキアの様子がおかしかったからだ。
 何と言うか―――嬉しそう、いや、楽しそう……何と言ったらいいか、誰にも言えない秘密の楽しみの事を一人思い出しているような顔。
 もしそれが俺の家への道だったのならば、その表情は間違いなく俺と逢うことから浮かべている表情だとわかるが(言っておくが断じて自意識過剰じゃねえ)、生憎その道は俺への家とは反対方向へと続いている道だった。
 ルキアは今日非番のはずだ。そういったことは勿論チェック済みだ。
 俺は、壁にへばりついている俺を呆れたように見ている一角に向かって一言、
「悪ぃ、後は頼む!」
「はあ?莫迦かおめーは。勤務中だろうがよ!」
「見回りなんざお前一人で充分だろ。今度奢るからよ、他の奴に上手く言っといてくれ」
「ってこら!!待ててめえ!!」
 後ろで騒ぐ一角の莫迦を置いて、俺はルキアを追って走り出した。ルキアは大分先まで行っていたが、幸い一本道だったので見失わずにすんだ。
 俺の身体はでかくてあまり尾行には向いていないが、ルキアは余程この後の事に気を取られているのか、周りに気を留めている様子もなく、俺は苦労せずについていくことが出来た。
 一体、ルキアは何処に向かっていると言うのだろう。
 そんな密かな追いかけっこが10分ほど続いただろうか、不意にルキアの足取りが更に速くなった。何かを見つけたような、目的のある足の運びだ。その前方を見てみると、遠目に男が一人立っているのが見える。俺は何となく嫌な予感がした。
「海燕殿!」
 予感的中。
 相手の男は手を上げてルキアを待っていた。どう見ても二人は待ち合わせをしていたらしい。
 海燕、というのは、十三番隊の副隊長だ。面倒見の良い、人望ある人間らしい。顔もまあそこそこに踏めるらしい。……何故「らしい」ばかりかというと、俺が直接会ったことがないからだ。今後も会う予定はない。会う気もない。
 何故なら―――ルキアがあいつの事を慕っているからだ(怒)。それだけで俺にとってはブラックリスト入りだ。
 ルキアは何故非番の日に―――こんな所にいるって事は、あいつも非番なんだろう―――待ち合わせているんだ?しかもやけに二人は楽しそうだ。
 頭に血が上っている間に、二人は並んで歩き出した。歩きながら交わしている会話の内容は、当然の事ながら俺の所までは聞こえて来ないが、ルキアの顔が赤くなっている事はよく見えた。あいつにからかわれては赤くなって照れて、怒っている。ムキになって言い返してはあの野郎に笑われているようだ。その上、あろう事かあいつはルキアの頭に手を置いて撫でやがった!!
 しめる。絶対後でしめてやる。
 そう拳を握り締め誓っていると、二人は揃ってある一軒の家へと入っていった。




 しまった、と思った時には既に遅く、俺はルキアを引き止めることが出来なかった。まあ、すぐに出てくるだろう、ルキアに限って俺を裏切るような事をする訳ねえと、淡い期待を持って待つ。
 しかし、30分待ってもルキアは出ては来なかった。
 いや待て、まだ30分だ。中で茶でも飲んで話し込んでればまだ出てくる時間じゃねえ。俺はそう言い聞かせながら、更に30分待った。
 ……遅い。
 とりあえず俺は二人が消えた家の前までやってきて表札を見た。
『志波』
 ……奴の家じゃねえか!!
 結構でかい所がまたむかつく。
 中の様子が窺えないかと家の周りを回ってみたが、そんな場所はなかった。そうこうしている間に時間は更に過ぎる。俺は苛々して爆発しそうになった。
 何をしてやがる、二人で、奴の家で。
 不愉快な噂が頭の中に浮かんできた。つまり―――あの野郎とルキアは出来ていると言う噂。
 こりゃもう家ん中に乗り込むしかねえ、と腹をくくった時、当のルキアが敷地から出てきた。
 咄嗟に物陰に隠れると、ルキアは恐らく戸口にいるあの野郎に会釈をすると、今度は間違え様のない満面の笑顔で歩き出した。
 奴の家から充分離れ、表通りに出た時に、土産なのか大事そうに小さな箱を抱きかかえてとことこ歩くルキアの腕を、俺は後ろから掴んだ。
 え、と振り返ったルキアの顔が、俺を認めて驚きの色を浮かべた。次いで、「まずい」という狼狽の表情を確かに認めて、俺は腹の中が熱くなった。
「お前、勤務はどうしたのだ?」
 取り繕ってそんな事を言うルキアに、俺は何も知らない振りで「休憩中だ」と微笑んで見せた。お前に偶然会えて嬉しい、という態度を見せてやると、ルキアは僅かにほっとした表情を見せた。俺の頭に血が上る。
「お前こそ何処に行ってたんだよ、今日は非番だろ?」
 さり気なく尋ねる。ルキアは何と答えるだろう、正直に言えば―――俺も冷静になるだろう。そうだ、ルキアが俺を裏切るなんて事は在り得ねえ。なんか用があったんだろう、部下として副隊長に会いに行っただけだ。
「ああ、ちょっと―――買い物をしていた。気に入りの店があってな」
 笑顔さえ浮かべてルキアはそう言った。
 ―――嘘を吐いた。
 俺の中の熱が、温度を高めていく。
「―――そうだ、丁度良かった。お前に渡したい物があるんだけどよ、ちょと家まで寄ってくれねえか?」
「ああ、私は別に―――だが、お前は大丈夫なのか?」
「ああ、すぐに済むからよ」
 俺はルキアの手を取った。
 逃がさない為に。





 程なく俺の家に着くと、ルキアを先に入れてから入り口の鍵をかける。ルキアは特に何も気付いていないようだ。
「休憩時間は当に過ぎているが……お前、本当に大丈夫か?勤務中ではないのか?」
 戸惑うルキアを座らせると、俺は無言でルキアの胸元に手を差し入れて、思い切りよく左右に開いた。ルキアの白い肌が露わになる。
「な……っ!!」
 一瞬茫然としたルキアは、次いで暴れだした―――というより暴れようとした。が、俺の両手が服ごとルキアの両腕を押さえつけている形になっているので、実際には僅かに身動ぎした程度の物だったが。
「何をする、莫迦者!!」
 その言葉は無視して、ルキアの首筋から鎖骨、胸の谷間をじっくりと検分する。
 ―――白い肌は白いままで、奴の痕跡は無かった。
 しかしそれは何の証明にもならない。奴が注意深く跡を残す事を避けただけかもしれないからだ。
「やっぱちゃんと全部見て見ないとな」
 俺は呟くと、ルキアの身体を持ち上げて布団の上に下ろした。その間もルキアは止めろ離せと叫んでいたが、勿論俺の耳には右から左だ。
「いい加減にしろ、恋次!何故こんな事をする、理由を言え!」
 烈火の如く怒っているルキアに、俺は「海燕って奴と何をしてた?」と耳元で囁いた。瞬間、ルキアの身体がびくっと硬直する。
「何故それを……」
「お前さっき、俺に嘘吐いたよな?何でだ?嘘吐かなきゃいけねえ様な事してきたのか?奴の家で?」
「違っ……!」
「随分楽しそうだったよなあ?待ち合わせして奴の家に行って、何してたんだ?言えねえ様な事か?」
「違う、違うっ!」
「ま、口じゃなんとでも言えるよな。実際お前は嘘を吐いた」
「それは、……すまない。でも、……な、何をするっ!」
 がばっ、とルキアの袴を下着ごと下ろした。慌てて逃げようとするルキアの身体を押さえ込む。
「莫迦っ!やめろ、ちゃんと話すから……っ!」
「嘘吐くような奴の言葉を信じられるかよ。もっと正直な部分に聞くから別にいい」
「何を言って……」
 ルキアの言葉は途中で切れた。「!」と息を呑むのが解る。理由は簡単、俺がルキアの中に指を入れてかき混ぜたからだ。ぬるりとした内部の液体を指に絡み付けて引きずり出す。引き抜く瞬間、ルキアの身体はびくっと反応した。これは俺の指に感じていたんだろう。
 日の光の下で、ルキアのもので濡れた指を眺める。それはきらきらと光っていた。ぺろっと舐めてみるとルキアの顔が赤くなった。
 別にいつもの、ルキアの味しかしないような気がする。……ま、俺は野郎のソレを舐めた事なんてねえから(想像しただけで寒気がした)、ルキアの中に奴の残滓があるかどうかはわからねえ。ルキアの中は潤ってはいたが、それはルキアの身体が感じやすいということがあるため、やはり奴とやったかどうかの証明にはならない。
「こーなりゃ身体に聞いてやる」
「ふざけるな、莫迦!変態!!」
「嘘吐いたお前が悪い」
「だから、私は海燕殿の―――」
 うるさいルキアの唇を唇で塞ぐと、しばらく暴れていたがすぐに大人しくなった。それを確認してから離れると、赤くなったままそっぽを向いている。
「嘘を吐いたのは事実だから、今はとりあえずお前の思う通りにしていい。でも、後で私の言う事も聞け。わかったな?」
「お前の身体の返答次第だな。俺を裏切っていたとしたら、―――俺は何するかわからねえ」
「だからそんな事はしていないと言うのに!……!」
 残っていた服の胸元を完全に開いて、ルキアの小振りの胸を日の下にさらけ出す。明るい日差しの中でルキアの肌を見るのは初めてだ。その肌の白さときめ細かさに、俺は目を奪われた。
「恋次……明るすぎる、部屋を暗く……何か窓に掛けて……」
「こりゃあ嘘吐いたお前の罰なんだからな。このままだ」
「………変態!」
「何言ってやがる、普通だ。それにすぐ周りのことなんか見えなくなるって」
 俺は本気でルキアの身体を攻略に入った。





 ルキアの身体は感度がいい。
 触れればすぐに反応する。それに明るい中でヤルのは初めてだから、その羞恥心もあるのだろう、何となく普段よりも敏感になっている気がする。
「………っ、………っ」
 声を出すまいと必死になっているルキアが可愛い。だけど俺はルキアの声が聞きたい。俺はルキアの左の胸の頂を口に含んで舌で転がし、左手は右の胸を揉みしだき、右手はルキアの中に入れる。ゆっくりと掻き混ぜると、ぴちゃぴちゃと音がした。
「ば…っ、莫迦、やめろ!」
「何を?」
「お前……わざとしてるだろう?」
 きっと睨むルキアの推測は正しい。いつもよりも淫らに、猥褻に。折角真昼間にやってんだし、大体これはルキアへのお仕置きなんだからな、ルキアには反省してもらわなきゃならねえ。
「正解。でも止めねえ」
「お前って奴は……っ!」
 更に睨みつけたルキアの中に、俺は何の予告もなく自身を突き入れた。途端、「あっ!」とルキアが仰け反る。身体が上に逃げていこうとするのを、両肩を掴んで押さえつけた。そのまま根元まで挿入する。
 まだルキアの経験は浅い。ルキアは気軽にいつでも俺と逢える身分ではないので、その経験数はまだ両の手に満たない。まだ少し狭いルキアの中は、それでも熱く潤って俺の侵入を手助けしてくれている。
 ルキアが感じている顔を見るのが好きだ。いつもは月の光の中、微かに見えるルキアの表情と声だけだったが、今日はルキアの全てが見える。
「あ、あ、……っ!」
 息遣いと共に、ルキアの声が形のいい唇から漏れ始める。段々と行為に没頭している証拠だ。行為の最初の内は、理性が勝っているのか声を出す事は無い。いつも与えられる刺激に唇を噛んで声を押し殺している。それが、理性よりも本能が勝ってくるにつれ、ルキアの艶めいた声が聞ける。そして俺が今待っているのはその時だ。
 理性が完全になくなったルキアは、もう何も考える事が出来ない。こっちの質問に対して本当の事を答えるしかなくなる。嘘を考えるような余裕が無いのだ。だから質問もイエスかノーで答えられる簡単な物しか出来ないが、その信憑性は100%。俺はルキアを攻めながら、その瞬間を待っている。
「ん…っ!やあ、れんじ……っ!」
 ルキアのもっとも敏感な部分に触れながら、俺を求めるように動くルキアにあわせ、強弱をつけてルキアの細い身体を突き上げる。肩にしがみつくルキアが切なそうに俺の名前を何度も呼ぶ。
 そろそろか。
「ルキア、今日あいつの家で同じ事をしたのか……?」
 耳元で囁く。するとルキアは首を激しく横に振った。
「してない……っ!私が、するのは……」
 お前だけだ。
 その答えに俺はいたく満足して、「そうか、そうだよな」と呟くとルキアの唇にキスをする。忘我にあるルキアは自ら舌を差し入れて絡ませてきた。いい傾向だ。
「じゃ、心置きなくヤルとすっか」
 とりあえず心配事も晴れた俺は、愛しいルキアの身体に我を忘れて没頭していった。





「ごめん」
 無言。
「ごめんってばよ。反省してるって」
 再び無言。
「ルキアちゃん?聞こえてますかー?」
「……妙な話し方はやめろ」
 相変わらず背中を向けたまま、肩には羽織をかけただけのルキアが、紛れもない怒りを含んだ声で返事をした。
「……こんな、身体中に痕を付けおって……誰かに見られたらどう言い訳させるつもりだ、この莫迦者!」
「誰か見るのか?お前の身体を?」
「家には従者たちがいるのだ!風呂だの着替えだのなんだの、大抵傍にいるのだぞ!」
「そりゃあ息苦しいな」
 けろりと言った俺の言葉に、ルキアは本気で殺意を覚えたようだ。その睨みつける視線に俺でさえびびる迫力があった。
「この男は……っ!!」
 ぷい、とルキアはまた横を向いた。
「大体なんで嘘吐くんだよ。そうだ、まだあいつの家で何してたか聞いてねえぞ。何してたんだよ、ルキア………わっ!」
 話しかけている途中に、俺の顔めがけて(背中を向けたままだ。すげえな)四角い箱が飛んできた。咄嗟に腕を上げて庇うと、箱は俺に当たってぽたりと床に落ちる。
「……鯛焼き?」
 蓋の開いた箱から、鯛焼きが顔を覗かせていた。一つ手にとって見ると、ほんのりと暖かい。
「………?」
「海燕殿の家に、鯛焼きを焼く型があったのだ。だから、私はお前に作っていこうと……」
「俺の為に?」
「海燕殿の奥様にも手伝ってもらって作ったのだ。大体有名な事だろう、海燕殿が護廷十三隊の人間の中で一番の愛妻家って事は!」
「野郎の噂なんざ興味ねえよ!そうだ、じゃあ何であんなに出てくるまで時間がかかったんだよ?」
「餡から作っていたのだ!どうせなら全て手作りにしたいと……それなのにお前は妙な事を勘ぐりおって……」
「……型だけ借りてくりゃいいじゃねえか!」
「朽木の家は料理人が専属でいるから、私が調理場を使う事は許されていないのだ!」
「じゃあ、何で俺が最初に何処行っていたか聞いたとき嘘吐くんだよ!」
「それは私ひとりで作った事にしたかったのだ!お前は私の料理の腕前を信用していないようだからな!」
 理由がわかってみれば本当に何てこと無い事で、俺が一人で熱くなってルキアを責め立てて……。
「悪かった!!」
「………」
「俺が悪い!本当にすまん!!」
「……何より一番辛かったのは、お前が私のことを……お前以外の誰かと……その、したのではないかと疑った事だ。それが一番……」
 俯いてしまったルキアに、俺は猛烈に自分が腹立たしくなった。くそ、くそ、くそっ!俺は何て莫迦な事をしちまったんだ!!
「本当に悪かった!今心から反省している!もう二度とこんな事は考えません!!」
 頭を下げる俺にちらりと視線を向けると、「……もういい」とルキアは呟いた。もういいってのはどういう事だ?俺との事は終わりにしたいとか?
 うろたえる俺の考えが解ったのだろう、ルキアは苦笑すると「違う、この件に関してはもう許すと言う事だ」と答えた。
「しかしこの鯛焼きはやらん。私一人で食べる」
「何ぃっ!?」
「当然だ、許しても私はまだ怒ってるんだからな」
「太るぞ、一人でこんなに食ったら」
「いつも私にもっと太れ太れと言ってるのはお前じゃなかったか?」
「いや、だけどよ、折角の手作り……」
「やらんと言ったらやらん」
 俺はがくりとうなだれた。折角のルキアの、俺の為だけに作ってくれたという鯛焼きを、俺は自らの浅はかさで不意にしてしまったのだ。……悲しすぎて泣けてくる。っていうか涙が出てきた。ルキアはそんな俺を無視して鯛焼きをひとつ手に取ると、背中を向けたままぱくぱくと食べている。
「……少しくらいならやってもいいぞ」
「ほんとか?」
 俺は喜んでルキアの元に駆け寄った。尻尾でもあればそりゃあもうぶんぶん振っていただろう。
 ルキアを覗き込むと、手に食べかけの鯛焼きが半分ほど残っている。それに視線を向けていると、ルキアの顔が近付いた。
 そのまま唇が合わされる。それはすぐに離れたが、俺の唇には甘い味が残っていた。
「どうだ、美味いだろう」
「……本当に少しだな」
「少しと言っただろう」
「……うん、美味いな」
「そうだろう?この餡は我ながら上手く出来たと思っている」
「……うん、やっぱり足りねえな」
「そんな事言ってもやらんぞ」
 ぱくぱくぱく、とルキアは手の中の鯛焼きを食べてしまった。「どうだ」とばかり笑って俺を見る。
「まだあるぞ、ここに」
「え?」
 俺はルキアを抱きしめて思う存分キスをする。口の中に広がるルキアの舌と甘い味。
 随分と長い間味わって、ようやく離した時にはルキアの顔は赤くなっていた。
「……ご馳走様でした」
「莫迦者!」





「あー、いたいた!!剣ちゃん、いたよー!!」
 ルキアを送るために、ルキアと並んで幸せ気分で歩いていた俺は、その能天気な十一番隊副隊長の声と『剣ちゃん』という部分で一瞬にして凍りついた。
 恐る恐る振り返ると、そこには見たくないものが、今の、この幸せ120%の今には絶対見たくなかった物(者、じゃねえ)が腕を組んで立っていた。
「た、隊長……」
「見回りをさぼってお出かけとはいいご身分だなあ?恋次よ」
「いえ、それは……さぼってなんかないスよ?ちょっと急用が出来て、それで一角に任せたってだけで……」
「さ、来い。丁度退屈してたんだ、少しくらい無茶してもらうとするか」
「な、何を……」
「一角は既に無茶してもらい済みだ。次はお前だな。さあ」
「ちょっ、ちょっと待って下さいって、隊長!!」
 ずるずると引きずられて、十一番隊の隊舎の方へ連行されながら、俺の中のさっき迄の余韻全てが吹き飛んでしまった。
「頑張るのだぞ!」
 そんな俺を見ながら、ルキアが笑顔で手を振っている。
 その唇に浮かんでいるのは紛れもなく「天罰だな」という意味合いの、面白がっている笑みだった。








3000番を踏んでくださった、恋里様のキリリクです!
リクエストは、「海燕とルキアが仲良くしている所を見て嫉妬する恋次」v
表恋次と裏恋次、どちらで書くかお尋ねしました所、快く裏恋次にしていただいて(笑)すみません、そう言っていただくよう誘導してしまった気がする……(笑)

これは奥様劇場本編に対する番外編です。
本編で無事結ばれてからの出来事です。すっかりらぶらぶですな。

初めて恋次とルキアのえっちシーン書いた……満足です(笑)だからすごいスピードでかけたのでしょう、これ、私にしては速くかけました……えと、2時間半くらいだ……(笑)ノリノリじゃん!「好物」は3日くらいかかってるのに……(爆笑)

それでは恋里さま、リクエストありがとうございました!気に入っていただけたらいいのですが……すみません、こんな展開で……(びくびく)
これからもどうぞお付き合いくださいませ。


2004.10.4  司城さくら