「恋次!」
あいつが呼ぶ俺の名前は、いつも何よりも輝いて聞こえる。
それがたまらなく心地よいからずっと傍にいたいと昔から思っている。
「甘味処に付き合え」
こんな命令口調ですらずっと聞いていたい。
テメーの奢りだろうな?
って言うとあいつは眉を顰めて
「金欠か? 副隊長殿」
なんて憎まれ口を叩きやがる。結局は俺が奢る事になる。
あいつから誘ってきたのに何で俺がとも思うが、俺が奢る事になればあいつは笑ってくれる。
それだけで許してしまえる俺はやっぱりあいつに甘いのだろうか?
あいつは俺の2、3歩前を小走りに進みだした。あいつは小走りで、俺は歩いているのにこの2、3歩の差は全然広がらない。身長差44cmはそういう差。
いつの間にこんなに差がついたのだろう。犬吊にいた頃は身長も、力もたいして差なんてなかった。
成長すると少しづつ差が付くそれと同時に俺は、あいつを護ってやりたいと強く思うようになった。
けど、あいつは自分の身は自分で護ると言って聞かないような奴だから俺は影で支える事にしたんだ。
「着いたぞ 恋次」
あいつは、甘味処の前で立ち止まっていた。一緒に店の中に入って、席に着き、あいつは『白玉餡蜜』
俺は『たいやき』を注文した。たまには違うもの頼めよと思うが、それはお互い様。
いつも好物を頼む俺たちは似た者同士。
そう思うと自然と顔がほころぶ。
「どうした恋次?突然笑い出して 怪しいぞ!」
イヤ 何でもねぇ
と言ってあいつを見ると届いた白玉を口に運んでいた。あいつは本当に幸せそうに白玉を食べる。
俺はあいつのそんな顔が好きだ。この顔だけじゃない。
笑った顔も、怒った顔も、拗ねた顔も・・・
俺を写す紫色の瞳も、少し癖のある艶やかな黒髪も、全て・・・
これは俺の一方的な想いかもしれない。
だからあいつの気持ちが聞きたい。
なぁ お前は俺の事好きか?
真剣にそう尋ねるとあいつは少し驚いてからまた微笑んで
「好きだよ」
と答えてくれた。俺にまた微笑みが戻る。
「白玉の次ぐらいにな」
続けられた言葉にガクッとする。
俺は白玉以下かよと項垂れる俺の正面の席であいつはクスクスと笑いながら白玉を口へ運んでいく。
あいつはそんな今がとても幸せなんだ。だからあいつの幸せな今だけは許してやる。きっと俺は近い未来あいつを独占するようになるから・・・
これは執行猶予だ。あいつの未来の幸せは俺が作って俺が護ってやるから。
覚悟しておけよ!
ルキア
初作品を投稿できて良かったです。
ルキアにベタ惚れな恋次目線の文となりましたがいかがでしょう?
ルキ恋になっているでしょうか?
最近、携帯ホームページを作りました。
まだ何にもないような所ですがどうぞ!
゚。。゚゚White Wind。。゚゚。 麻野架澄