それはいつもとなんら変わらない平凡な日。
ルキアは十三番隊の資料保管室にいた。六番隊に貸す資料を探しにきたのだ。
「おかしいな。確かこの辺りにあると浮竹隊長から聞いているのだが…」
自分の目線よりはるか上にまで続く棚、そこに所狭しと並ぶ書類の束。
ふぅ。
本日何度目かのため息をついてまた上を見上げる。
・・・と何と目当ての資料がみつかったのだ。
自分よりはるか上に。
無理だと分りつつも、とりあえず手を伸ばしてみる。
「全然届いてねぇじゃねぇか。」
背後から聞こえたのは自分がよく知る者の声。
「っ!!恋次!!!何でわざわざ霊圧をけして入ってくるのだ!それに何でここに・・・」
「十三番隊の資料が全然届かねぇから自分で取りにきたんだよ。で、どれだ?取ってやるよ。」
「手助け無用だ。自分で取ってからお前に渡す。」
「その身長で届くのかよ。」
「う・・・。」
「抱っこしてやろうか?」
・・・・・バキッッ
ルキアの拳が恋次のみぞおちに入った。
「余計なお世話だ!たわけ!!」
顔真っ赤にして言っても可愛いだけなのに。
みぞおちの痛みに苦しむ恋次を横目にルキアは部屋隅から踏み台を持ってきた。かなりの高さ。これなら何とか手が届きそうだ。
「小さいと不便だな。」
ようやく痛みがひいた恋次。
「別に不便じゃないし、困っておらぬぞ。」
目当ての資料を取り出すことができたルキア。
「バーカ。俺が困るんだよ。こうもお前と身長差があるとキスする時だってお前サイズに合わせるのが・・
ちゅ
"大変で大変で"そう続けようとした恋次の唇に触れたのは愛しい黒髪の少女。
「・・・・・・っておい!!!ル、ルキア何して・・・!」
先ほどのルキア以上に顔を真っ赤にする。余裕はどこにも見当たらない。
「わたしサイズに合わせるのがどうしたのだ?」
一方先ほどまで顔を真っ赤にしていたとは思えない。浮かべる笑みには余裕もみられる。
資料を恋次の胸に押し付けてルキアは踏み台からひらりと降りた。
「たまにはお前に見上げられるのも悪くないな。」
そう言ってルキアは資料保管室を後にし、髪と同じくらい顔を赤くした六番隊副隊長が一人残されました。
END
おまけ。
「お。朽木。資料はちゃんと見つかったか〜?」
「浮竹隊長!はい。ちょうど保管庫で恋…阿散井副隊長とお会いしたので渡しておきました。」
じぃ〜〜〜〜。
「どうした朽木?俺の顔に何かついているか?」
「・・・・・・あ、いっ、いえ!・・・・・・・・・あの、どうしたら隊長のように背が高くなれるのかと思いまして・・。」
「んー。そうだなぁ。朽木は今の身長でいいと思うぞ。小さくて可愛いじゃないか!それに阿散井だってそう思っていると思うがなぁ。」
「なっなんで阿散井副隊長の名前がでてくるんですか!!!」
「ははは真っ赤になってるぞー。」
恋次に少しでも近づきたいルキアの気持ちも、二人の関係もお見通しの浮竹なのでした。
一方。六番隊。
「恋次。資料は借りてきたか?」
「・・・え?あっあぁ、はい。借りてきましたよ。」
「・・・何やら先ほどから私と目をあわさないようにしているが何かやましいことでもあるのか?」
「な、何言ってるんっすか。そんなことないですよ。《ルキアとキスした(正確にはされた)なんて隊長にばれたらどうなるか分かんねぇからな・・・》」
「そういえば、これは十三番隊から借りてきたそうだな・・・よもや、ルキアと何かあったのではあるまいな・・・・・・」
「なっなんでルキアの名前がでてくるんですか!《何でこんなに冴えてるんだよ・・・!!!》」
「・・・・顔が青いぞ恋次。」
白哉が浮竹のような寛大な心を持つ日はまだ遠い。
生まれて初めてSSを書きました。
拙すぎる文章ですみません!目指したのは小悪魔ルキアだったんですが
ね・・・。
会っても無くてもいいようなおまけまで付けてすみません!(おまけ無しだとあ
まりに短かったので調子にのって付けてしまいました。。)
謝ってばかりですが、ルキ恋祭りという素敵な企画に参加できて嬉しいですv
嵩澄彼方