この想いの行き着く先は、
一体何処に在るというのか
「愛さなければよかったのだろう」
そんな仮定に意味がない程
瞬時に惹かれたこの想いは
瞬時に囚われたこの心は
―――永遠に想い続けるこの想いは
永久に捕われるこの心は
狂っている―――狂おしく欲した故に
わかっている、わかりすぎるほど
狂っている―――自分は狂っているのだ。
欲しかった、何もかもが
お前のその瞳も、髪も、肌も、汗も、涙も、心も、身体も―――総てが欲しかった。
けれどこの手に入るものは何もない。
何一つ。
如何したらお前を手に入れることが出来る?
如何したら総てを手に入れることが出来る?
如何したら狂気を終わらせることが出来る?
如何したらこの悪夢を終わらすことが出来る?
如何したら、俺を、心を、消すことが出来る?
細い首に両手を回して力を込める。
決して手に入れることが出来ないお前に囁く。
「―――愛している。」
狂 っ て い る ―――わかっているん だ
幽蘭の露
幽蘭露 如啼眼
仄かに香る蘭の露は / 涙を浮かべた彼女の眼のよう
近日更新(笑)