雨の日の黒崎君はどこかいつもと違うな、と気付いたのは大分前のことだった。
傘をさして、暗い空を見上げる瞳や。
窓の外の灰色の景色を眺めている姿が。
何故だかとても悲しそうで…けれど、そこに触れてはいけない気がした。
それは私から尋ねてはいけない事だと感じていた。
だから私は、雨の日の黒崎君をただ見守るしかなかった。
こうして、黒崎君が私の部屋へと来る事が自然な事になった今でさえ。
窓を叩く雨の粒ひとつひとつに、黒崎君は目を向ける。
それは酷く悔しそうな、悲しそうな、切なそうな、つらそうな。
雨にどんな思い出があるのだろう、見ている私の胸が痛むような、そんな瞳を向ける程の。
いつか、どうか貴方の言葉で教えて欲しい。
貴方を苦しめるその過去が、一体どんなものであったかを。
多分、貴方は私に自分の弱さを見せたくないのでしょう。
けれど私も、貴方が私を護ると言ってくれた同じ強さで、私は貴方を護りたいと思っているから。
だから、いつか。
心の重荷を、私に分けて欲しいと思う。
黒崎君の隣に座って、その肩に頭をもたれさせたら、黒崎君は吃驚したように私を見た。
それから照れたように視線を逸らして、私の肩に手をまわして抱き寄せる。
「明日は雨、止むかな?」
「どうだろうな」
明日雨が止んだら、近くの公園に二人で行こう。
ドーナツを持って、お茶を持って。
そうして二人の思い出を作っていく。楽しい思い出で一杯にしていく。
だから。
「…晴れたらいいね」
微笑んだ私に、黒崎君も微笑んだ…ような気がした。
それとね。
いつまでも照れていないで、ちゃんと私の顔を見てくれるようになって欲しいなあ。
何気に織姫の部屋にフリーパスの一護ですが、彼らは未だ一線を越えず。
高校生らしい、15歳らしい甘酸っぱい(何)青春を送っています。とりあえず。
一護、照れ屋さん(笑)だしなあ。
一織では織姫が積極的、希望。織一。