「う…」
ルキアは目の前に置かれたソレを見てうめき声を上げた。
「これを着る、のか…?」
「約束しただろ?ん?」
邪気のたっぷり含まれた恋次の微笑みに、ルキアは「しかし…っ」と反論を試みる。しかし、その先の言葉を口にする前に「それともお前は約束なんざ破る物って思ってんのか?」と畳み込まれてぐっと言葉に詰まった。
「そーか、お前は平気で約束破る女だったのか、幻滅だなあ」
「き、着ない等と言っていないだろう!ただ確認しただけだっ」
「そっか、じゃあ早く着てみろよ」
ルキアは泣きそうになりながら恋次を見たが、元より恋次が許してくれる筈もなく、ルキアはため息をつきながら隣の部屋へと移動した。
「……着たぞ」
「どれどれ」
「入ってくるな!」
「それじゃ着せた意味がねぇだろーが」
「待っ…」と言う制止の声を無視して、恋次はルキアのいる部屋へ踏み込んだ。
「うう…」
羞恥で頬を染め、うつ向いて立ち尽くすルキアの身に付けている物を下から解説しよう。
膝までのブーツ…というよりも、全て布製なので長靴、と言った方が近いかもしれない。カーブはなくストンと筒状の形。そして素足を辿り、スカートは超ミニ。少しでも屈めば下着が見えてしまいそうな凶悪な短さ。そして形のいいお臍は丸見えの、剥き出しのお腹。その上の胸を隠すのは長方形の布にゴムを入れたような物で、ストラップなどは無い。故に肩は何も隠すものなく、鎖骨もバッチリ見えている。細い首にはリボン。これらは全て同じ生地―――白い毛足の長いファー素材で出来ている。そしてとどめに、頭に乗せた長い耳。
「これは完っ璧な兎だなあ」
 にこにこと上から下まで眺められ、ルキアは真赤になりながら「この変態…」と呟いたが、上機嫌な恋次の耳には届かなかったようだ。
「もういいだろう、いい加減着替えさせろ」
 数十分も恋次の目に曝されて、ルキアはぐったりと疲れていた。腹立たしげにそう恋次に言い募ると、恋次は、
「何を仰るウサギさん」
「………(寒)」
「お楽しみはこれからだ―――っ!」
「うわ、何をするっ!?」
「ナニをするv」
「莫迦!変態!」
「男は狼なのだ、気をつけるんだなっ!」
「やっ……莫っ、さ、触るなっ……」
 

古来、兎は狼に食べられてしまう運命にある。
「ご馳走様でした」
「もう二度とお前と約束なんかするもんか!」






ルキア受難(笑)
でもルキアのうさぎ姿は可愛いと思うよ…。