灯を消した暗闇の中で抱き寄せた身体は、微かに震えていた。
 重ねた唇に、躊躇うように背中に回された腕が愛しい。
 怯えながら、それでも全てを委ねる身体の柔らかさ。
 待ち続けた瞬間が今、漸く訪れる。


 熱い溜息、
 光る汗、
 縋る腕、
 揺れる髪、
 反り返る背中、
 
 俺の名前を呼ぶその甘い声。



 お前の全てを見てみたい。

  

 お前がどれだけ俺を愛しているか見せ付けて、
 俺がどれだけお前を愛しているか見せ付ける。
 そして、離れていたこの長い時間を、今夜全て埋め尽くす。


 触れて。
 煽って。
 辿って。
 溶けて。
 教えて。
 戯れて。
 感じて。
 伝えて。
 ……墜ちて。


 抱きしめているこの腕を解くその時まで、
 お前の乱れる様を見ていたい。