本を頂戴しました

 「戦後史をよみなおす 駿台予備校学校『戦後日本史』講義録」 2011年11月14日 講談社 1,500円+税


戦後史をよみなおす

戦後史をよみなおす

 福井紳一さんというお客様から、御自身の著作「戦後史をよみなおす」を頂戴しました。
戦後史をよみなおす

戦後史をよみなおす

戦後史をよみなおす

戦後史をよみなおす

戦後史をよみなおす

 寡聞にして存知上げなかったのですが、福井氏は日本近代・現代史が御専門で駿台予備学校の講師をなさっておられます。 学校での「戦後日本史」講義録を一冊にまとめられたのが本作で、太平洋戦争の敗戦直前から2011年3月11日の東北大震災までの時代が、 福井氏の史観から展望・叙述されています。
 終戦直後の一章「敗戦と文化」の中では「無頼派作家たちの死にざま」に触れられ、坂口安吾・太宰治・田中英光が登場します。 この部分で福井氏はルパンのことにも触れられて、それでわざわざこの本を届けて下さったのです。
戦後史をよみなおす

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(ルパン記載部分)

 彼ら無頼派のたまり場だったバーが、銀座五丁目にある「ルパン」で、いまも営業しています。 バーの様子は当時のままです。林忠彦が撮った「ルパン」のカウンターでの太宰の写真は見たことがあるんじゃないですか。 太宰のお気に入りの写真でした。「ルパン」の隣が、安吾の妻の坂口三千代がやっていた、バー「クラクラ」でした。 彼女の死により店は閉めましたが、彼女の自伝的随筆『クラクラ日記』を読むことはできます。



昭和30年史
ヤミ屋と買出しの満員列車

昭和30年史
数寄屋橋のヤミ市

昭和30年史
戦災孤児収容所

1955年3月15日発行 毎日新聞社「写真 昭和30年史」より
 時々太宰ファンの若い方々から「太宰治はどんな“カクテル”を飲んでいたのですか?」という質問を受けます。 そういう時には「カストリ時代」を持ち出して、林忠彦がルパンで太宰を撮影した頃の東京の焼跡や浮浪児の様子を御覧に入れます。 そして当時の食料事情や、物不足の事情から、どんなお酒が手に入ったのかも判らないことをお話しします。
 団塊の世代位までは、まだ濃厚に記憶されている「戦後」のイメージが、もはや風化し始めているのだなと感じていますので、 「現在を知るためには最も近い歴史を知らなければいけない」という福井氏のアプローチは実に共振出来るものです。 一人でも多くの若い方々に読んで頂きたいと他所乍ら願うものです。