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平日夜、毎晩11時50分から放映されている、フジテレビの「ニュースJAPAN」。
10月12日の番組の中に、この日公開された東宝映画「ヴィヨンの妻」の監督・根岸吉太郎氏のインタビューがあり、
これが根岸監督の御希望で、ルパンで収録されました。
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このコーナーのタイトルは「秋元が探る”女の生き方”」、キャスターの秋元優里さんが、根岸監督と主演の松たか子さん、浅野忠信さんにインタビューします。
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秋元 「文豪太宰治の小説を映画化し、現在公開中のヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜、
戦後まもない昭和20年代を明るくしなやかに生き抜く一人の女性の姿が、
太宰生誕100年の今に訴えかけてくるのは何なのか、監督と出演者の方々に伺いました。」
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銀座の裏路地にひっそりたたずむ老舗バー・ルパン。
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秋元 「わァすごい。レトロな空間ですね。こんにちは。」
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1928年創業の店の片隅には、バーに足繁く通った男の写真が飾られている。
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秋元 「あァこれ、まさに太宰治の写真ですよね。……これってここで撮ったんですか?」
開 「そうです。同じ場所で撮りました。」
秋元 「同じ場所。」
開 「はい。」
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秋元 「あァそうか、確かにここですね。この角ですね。」
開 「そうですね。」
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小説家・太宰治。
生きることへの苦悩を描き、人間失格や走れメロスなど数々の名作を残した。
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今年生誕100周年を迎えた太宰の小説を映画化した「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」。
太宰が描いた夫婦の愛の物語に新たな世界を加えたこの作品は、見事モントリオール世界映画祭・最優秀監督賞に輝いた。
その名匠・根岸吉太郎監督から見た小説家・太宰治とは……
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秋元 「今、後ろには太宰治の写真がありますけれど、太宰治の作品にを最初に出会われたのはいつ頃なんですか?」
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根岸 「うーん40過ぎてからですかね。」
秋元 「あ、そうなんですか。」
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根岸 「ええ。すごくびっくりしましたね、やっぱり読んで。」
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根岸 「これ程才能がある人が一人存在していたんだと。」
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根岸 「なんか素晴らしい言葉を紡ぎだしますよね。」
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ヴィヨンの妻には女性に論議をよびそうなこんな一節が出てくる。
『女には幸福も不幸も無いものです。』
『男には不幸だけがあるんです。』
根岸 「言ってみたいセリフですよね。」
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秋元 「えェーそう思いますか?」
根岸 「いや、それはね、太宰だから言えたんじゃないんですか。」
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根岸 「やっぱり自分がいつも死というものからの誘惑を受けていて、その中でどう生き残っていくか、と考えていたわけですから」
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根岸 「そういう人のセリフなんだと思いますね。」
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根岸 「自分が何であるかってことを考えないと、生きていけない時代だと思うんですよ、今っていうのは。そういう時に一つの指針としてね、その時代は違いますけれど、太宰が格闘していた生き方って言いますかね」
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根岸 「そういうものが参考になったり光になったりするんじゃないんでしょうかね。」
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命をかけた太宰の言葉は、今も生き続ける。
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